2026年2月, From the Field
市場見通し
資産別ポジショニング
市場テーマ
米国の金融政策の行方はさらに混とん
米連邦準備制度理事会(FRB)の次期議長にケビン・ウォーシュ氏が指名されたことは、同国の金融政策を巡る神経質な環境に新たな不確実性をもたらしています(図表1)。ウォーシュ氏は、過去に量的緩和やゼロ金利政策を批判してきたことから、議長候補者の中で最もタカ派的とみなされており、トランプ大統領からの継続的な利下げ圧力を踏まえると、この人選は予想外のことであり、株式市場は一時急落しました。最近のウォーシュ氏は、AI関連の生産性や関税によるデフレ圧力がインフレを一時的に抑制していると述べるなど、以前よりもハト派的な姿勢を示しています。とはいえ、財政政策の後押しによって底堅い景気がさらに加速すれば、ウォーシュ氏のハト派姿勢も後退する可能性があります。不透明な環境に加え、米連邦公開市場委員会(FOMC)内でのタカ派とハト派のさらなる分断や対立が予想される中、米国の金融政策の見通しはかつてないほど混とんとしています。
株価の上値抵抗線となったAI効果
現在はまだポジティブに受け止められることの方が多いAI関連のニュースですが、市場心理はより慎重になっています。昨年は歓迎・許容されることの多かったAI成長を支える大規模な設備投資計画についても、足元ではその投資利益率への疑念が浮上しています。また、従来は他の分野の生産性向上を支えるとの見方が一般的だったAIの普及が、ソフトウェアやデータ分析、さらには保険や不動産のブローカーに至るまで、既存企業のビジネスを侵食・破壊・代替するとの懸念が急速に広がっています。このようにAIの負の側面(投資負担とビジネスの破壊)に注目が強まるなか、バリュエーション調整もあり、情報技術セクターが圧迫され始めています(図表2)。かつては株式市場全体を支えたAI期待が、現在ではAI懐疑論として株価の上値抵抗線に変化したなか、今後はAIによる勝者と敗者を冷静に見極めていく重要性がますます高まりつつあると考えられます。
円債利回りの上昇一服が意味するもの
日本国債の利回りは、円安や物価高の持続、日銀による利上げ継続への観測を背景に、2025年を通じて上昇し続けました。特に10月に発足した高市政権による積極財政への期待や、年明けの衆議院解散後、与野党の選挙公約が減税競争となったことから、警戒感が高まりました。その結果、2026年1月20日には10年国債の利回りが、1998年末の「資金運用部ショック」以来となる2.35%まで上昇しました(図表3)。その後は、①世論調査で示された自民党の総選挙圧勝観測で野放図な財政出動競争が避けられるとの期待、②仮に政局が混迷した場合は日銀が利上げを先送りするとの見方、③30年国債でドイツを上回った日本の利回り水準に海外投資家が関心を示し始めたこと、④実際の総選挙圧勝で高市首相の財政発言がトーンダウンしたことなどから、利回りの上昇は一服しました、しかし、財政悪化で主要国の超長期債利回りの高止まりが続く中、利上げも続くであろう日本の国債利回りが、このまま低下に向かうとは考えにくい状況です。
アセットクラス・ポジショニング
上記のポジショニングおよびコメントにおいて、臨時での資産配分変更が発生した場合は変更後のものを基準に記載する場合があります。
当資料における見解等は資料作成時点のものであり、将来事前の連絡なしに変更されることがあります。
引用されているパフォーマンス・データは過去の実績であり、将来の結果を示唆・保証するものではありません。
追加ディスクロージャー
S&P500インデックスはS&P Dow Jones Indices LLCまたはその関連会社(「SPDJI」)の商品であり、これを利用するライセンスがティー・ロウ・プライスに付与されています。Standard & Poor’s®およびS&P®は、Standard & Poor’s Financial Services LLC(「S&P」)の登録商標で、Dow Jones®は、Dow Jones Trademark Holdings LLC(「Dow Jones」)の登録商標です。ティー・ロウ・プライスの商品は、SPDJI、Dow Jones、S&P、それらの各関連会社によってスポンサー、保証、販売、または販売促進されているものではなく、これらのいずれの関係者も、かかる商品への投資の妥当性に関するいかなる表明も行わず、S&P500インデックスのいかなる過誤、遺漏、または中断に対しても一切責任を負いません。
重要情報
当資料は、ティー・ロウ・プライス・アソシエイツ・インクおよびその関係会社が情報提供等の目的で作成したものを、ティー・ロウ・プライス・ジャパン株式会社が翻訳したものであり、特定の運用商品を勧誘するものではありません。また、金融商品取引法に基づく開示書類ではありません。当資料における見解等は資料作成時点のものであり、将来事前の連絡なしに変更されることがあります。当資料はティー・ロウ・プライスの書面による同意のない限り他に転載することはできません。
資料内に記載されている個別銘柄につき、売買を推奨するものでも、将来の価格の上昇または下落を示唆するものでもありません。また、当社ファンド等における保有・非保有および将来の組み入れまたは売却を示唆・保証するものでもありません。投資一任契約は、値動きのある有価証券等(外貨建資産には為替変動リスクもあります。)を投資対象としているため、お客様の資産が当初の投資元本を割り込み損失が生じることがあります。
当社の運用戦略では時価資産残高に対し、一定の金額までを区切りとして最高1.265%(消費税10%込み)の逓減的報酬料率を適用いたします。また、運用報酬の他に、組入有価証券の売買委託手数料等の費用も発生しますが、運用内容等によって変動しますので、事前に上限額または合計額を表示できません。詳しくは契約締結前交付書面をご覧ください。