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2023年6 月 / インサイト

マルチ・アセット戦略における協働とデュー・デリジェンス

どのようにビルディング・ブロックを積極的にモニタリングし、強化しているか

サマリー

  • デュー・デリジェンス・プロセスは、「マルチ・アセット・ポートフォリオに組み入れた各戦略」(以降、「ビルディング・ブロック」と言います。)の継続的な適合性を評価するよう設計されている。
  • そのプロセスでは、運用チーム間が協働し、組み入れた戦略および各戦略がマルチ・アセット戦略内で果たす役割をレビューすることを目的としている。
  • 私たちは強固なビルディング・ブロックによってマルチ・アセット・ポートフォリオを構築する。問題が生じることはまれだが、実際に生じた時には、懸念に対処する措置を講じてきた。

ティー・ロウ・プライスは、過去30年以上にわたり、マルチ・アセット戦略を設計し、提供しており、世界中の多様なお客様のニーズに応えるべく、各戦略を熟慮の上で構築してきました。私たちは、投資目的、リスクおよび投資機会を慎重に組み込んで、特定の目的に沿った戦略を構築する、厳格なリサーチプロセスを採用しています。ポートフォリオの長期戦略的資産配分、すなわち様々な資産クラスへのエクスポージャーの水準を決定した後、独自の運用戦略の中から適切なビルディング・ブロックを選別して組み入れます。資産クラス全般にわたる当社のグローバル調査プラットフォームと知見の強みを活用し、独自の戦略を用いて、マルチ・アセット・ポートフォリオにおいて長期にわたる付加価値の創出を目指します。

組み入れたビルディング・ブロックの長期的なパフォーマンスは、マルチ・アセット・ポートフォリオの長期的な相対パフォーマンスとランキングに直接影響を与えるため、デュー・デリジェンスのプロセスは、各ビルディング・ブロックの適合性を包括的かつ継続的に評価するように設計されています。

このプロセスでは、組み入れた各戦略における変化やパフォーマンスの悪化が生じた時に、それらを理解し、対処することができるよう、マルチ・アセット・デュー・デリジェンス・コミッティ(MADDC)と組み入れた戦略の運用マネジャーと協働するよう促します。

継続的なモニタリング

マルチ・アセットのポートフォリオ・マネジャーは、マルチ・アセット・ステアリング・コミッティ(MASC)とMADDCが推進する厳格なガバナンス・フレームワークによるサポートを受けます。MASCは、各資産クラスのポートフォリオ・マネジャーと調査および商品開発のシニア・リーダーを含む常任委員で構成され、ティー・ロウ・プライスのすべてのマルチ・アセット戦略およびデュー・デリジェンスのプロセスについて、ガバナンスと監督の責任を負っています。

7名のマルチ・アセット運用プロフェッショナルで構成されるMADDCは、ティー・ロウ・プライスのマルチ・アセット戦略で組み入れられる独自の各種運用戦略のデュー・デリジェンスを継続的に監督し、組み入れた戦略に関する懸念事項をMASCに報告する責任を負っています。MADDCの議決権を持つメンバーであるマルチ・アセット・デュー・デリジェンス責任者がそのプロセスを監督します。

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モニタリング・プロセスは、定性と定量の両面をカバーし、以下が含まれます。

  • パフォーマンスおよびリスク指標を継続的に集計し、月次でレビューを実施。
  • 運用チームにおける変更、保有銘柄の集中度合、売買回転率の上昇、その他定性的な考慮事項等を継続的にモニタリング。
  • 組み入れた戦略の運用チームとのミーティングは、少なくとも年1回行われ、より詳細なレビューが必要と考えられる時にはより頻繁に実施。

この厳格なデュー・デリジェンス・プロセスによって、分散されたポートフォリオの中で各戦略がその意図した目的を果たすことができるという確信を再確認することが可能となります。逆に、レビューを実施した結果、疑義のある戦略については追加モニタリングのため監視下に置く場合があります。戦略を監視下に置くとの決定を下すMADDCの判断は、運用プロセスの変更、リスク・エクスポージャーの変化、パフォーマンスに対する懸念、運用チームの人員変動、投資テーマに変化を及ぼす可能性のある状況やイベントの発生など、様々な要因に基づきます。追加分析やモニタリングの強化によっても懸念が解消されない場合、MADDCは、懸念事項を公式にMASCに報告します。これを受け、MASCは戦略に対するガバナンスを担うティー・ロウ・プライスの投資ステアリング・コミッティに諮問し、協働して問題を是正するための措置を講じます。また、MASCによるマルチ・アセット・ポートフォリオの監督と同様に、株式運用部門および債券運用部門にもそれぞれ監督する部門別投資ステアリング・コミッティがあり、マルチ・アセットのデュー・デリジェンス・プロセスに不可欠の要素です。懸念事項がうまく解決されると、MASCは戦略を「ウォッチ・リスト」から除外します。

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デュー・デリジェンスの実務

稀ですが、保有する運用戦略が想定に沿わないと判断されたケースでは、断固たる措置を講じて問題の根本原因に対処してきました。株式部門と債券部門の各投資ステアリング・コミッティは、パフォーマンス、投資行動、スタイル準拠度合、およびポートフォリオ構造を定期的にレビューします。加えて、各部門のステアリング・コミッティは、アナリストが提供する運用分析結果をレビューする責任を負っています。

ポートフォリオ・マネジャーにパフォーマンスの課題が認められた場合、属する資産クラスのステアリング・コミッティが、その課題について潜在的な理由を評価分析し、適切な行動を促します。投資ステアリング・コミッティが決定するこれらの行動には、ポートフォリオ・マネジャーへの追加的なサポートの提供から、必要に応じて、ポートフォリオ・マネジャーの交代まで含まれます。また、各資産クラスのステアリング・コミッティは、こうした決定事項をMASCとMADDCに諮問し、懸念事項の解決に向けた進捗を協議します。

 

デュー・デリジェンス事例1

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デュー・デリジェンス事例2

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ティー・ロウ・プライスが擁する運用プロフェッショナルやグローバル調査プラットフォームは、マルチ・アセット戦略の成功に寄与してきた重要な要素となっています。マルチ・アセット運用では、組み入れたビルディング・ブロックに対する厳格なデュー・デリジェンスと継続的なモニタリングを実施しマルチ・アセット・ポートフォリオ運用に対してガバナンスの役割を果たせるよう体制を確保することは、お客様のために最善を尽くすというティー・ロウ・プライスの強いコミットメントを反映しています。

 

 

 

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当資料は、ティー・ロウ・プライス・アソシエイツ・インクおよびその関係会社が情報提供等の目的で作成したものを、ティー・ロウ・プライス・ジャパン株式会社が翻訳したものであり、特定の運用商品を勧誘するものではありません。また、金融商品取引法に基づく開示書類ではありません。当資料における見解等は資料作成時点のものであり、将来事前の連絡なしに変更されることがあります。当資料はティー・ロウ・プライスの書面による同意のない限り他に転載することはできません。

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当社の運用戦略では時価資産残高に対し、一定の金額までを区切りとして最高1.265%(消費税10%込み)の逓減的報酬料率を適用いたします。また、運用報酬の他に、組入有価証券の売買委託手数料等の費用も発生しますが、運用内容等によって変動しますので、事前に上限額または合計額を表示できません。詳しくは契約締結前交付書面をご覧ください。

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ティー・ロウ・プライス・ジャパン株式会社

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