Skip to main content

2021年3月 / STRATEGY SPOTLIGHT

ティー・ロウ・プライス ストラテジー・フォーカス:グローバル株式インパクト投資戦略

戦略サマリー

  • グローバル株式インパクト投資戦略は、長期的な資本の成長を目的としている。当戦略は、環境面または社会的なプラスのインパクトを追求するとともに、MSCIオール・カントリー・ワールド・インデックス(税引き後配当再投資)を上回るパフォーマンスを獲得することを目指している。
  • 当戦略は、現時点においてプラスのインパクトをもたらすと同時に、将来的なインパクトが十分に認識されておらず、将来にわたり持続可能かつ力強い利益およびキャッシュフローの成長が見込める企業に注目している。
  • 当社のグローバルな株式リサーチ・プラットフォームおよび環境・社会・ガバナンス(ESG)要因の調査・分析に特化した責任投資(RI)チームから提供される、プラスのインパクトをもたらすポートフォリオ構築に必要な幅広い調査とグローバルな視点を活用する。
  • 当戦略の運用アプローチの基盤を成すのは、世界的に認められている国連の持続可能な開発目標(UN SDGs)である。UN SDGsは、貧困撲滅、地球保護、繁栄を確保するために策定された17の目標で構成されている。
  • 全ての投資判断は3つに定めたインパクトの柱-気候と資源へのインパクト、社会的公正性と生活の質、持続可能なイノベーションと生産性-に沿って行われる。企業が世界的に認識されている課題に取り組む中で、重要かつ計測可能な環境面または社会的なプラスのインパクトを生み出すことを目指している。
  • インパクトを特定のフレームワークを用いて計測することで、インパクトの成果を個別および総合的に定量化する。
  • ESG問題について企業へのエンゲージメントを積極的に行い、当戦略の2つの目的を踏まえた独自の議決権行使方針を設定している。

特徴
運用哲学
当戦略の運用哲学は、以下の4つの原則を基盤としています。

(1)重要かつ計測可能なプラスのインパクトを与えること
当運用アプローチは、貧困に終止符を打ち、地球を保護し、すべての人が平和と豊かさを享受できるようにすることを目指す世界的に認められた枠組みであるUN SDGsに沿っています。当運用においては、(1) 気候と資源へのインパクト、(2) 社会的公正性と生活の質、(3) 持続可能なイノベーションと生産性、の3つの柱に基づきインパクトを評価します。当運用アプローチは、お客様、運用チーム、投資先企業を網羅するすべてのステークホルダー(利害関係者)の利益を合致させる上で適切なアプローチであると考えています。

当運用アプローチがその目標を達成するために、将来的な変化を考慮しつつ、すべての投資判断が明確に定義された重要かつ計測可能なプラスのインパクトというテーマに基づいて行われるように徹底します。

(2)耐久性とタイム・ホライズンが鍵
株式は、当該企業の利益とキャッシュフローの耐久性および継続性を市場が十分に認識していない場合、または経済的利益の改善が株価に適切に織り込まれていない場合に、優れたリターンをもたらす可能性があります。長期的な視野に立つことで、特に変化や創造的破壊が見られ、タイム・ホライズンが短期化した時代において、株式市場に存在する非効率性を見極めることができます。

(3)長期的な変化が重要
特に消費者や企業、規制当局などの環境が変化する時代において、ビジネスモデルから生み出される経済的利益の改善を享受するには、長期的な変化から恩恵を受ける企業への投資がカギを握ります。

インパクト投資は従来、非上場資産への投資とされてきましたが、上場株式市場においても、プラスのインパクトを生み出す企業への投資機会はかつてないほど拡大しています。

(4) 調査が極めて大切
当アプローチは当社のファンダメンタル・リサーチおよび責任投資チームから得られるインプットを活用し、企業に関する総合的な見方を構築します。また、異なる視点を取り入れることで、将来のインパクトに着目した投資を行い、より良い投資成果を追求することが可能になります。株式に関する視点を統合し、十分に認識されていないと見られるインパクトおよび株価に適切に織り込まれていないと思われる経済的利益の改善を真にグローバルな観点から個別銘柄毎に見極めます。銘柄選択においては、将来の変化を見据え、独自の調査に基づいた、高い確信度を有する企業を見極めます。当戦略は、変化し続ける複雑な世界におけるあらゆるインパクト投資の機会を幅広く捉えることを目指しています。そのため、慎重なポートフォリオのリスク管理のみならず、UN SDGsの達成を目的とする観点からもこのような銘柄選択アプローチを採ることが重要です。

ポートフォリオ運用
Hari Balkrishna(以下、ポートフォリオ・マネジャー)が投資判断に対する最終的な責任を負います。Balkrishnaは、15年の投資経験を有し、2015年から2020年までグローバル・グロース株式運用戦略のアソシエイト・ポートフォリオ・マネジャーを務めてきました。5大陸で生活し働いてきた経験から、国によって異なる多くの社会制度を経験・理解しており、気候変動への取り組みについても熱意を抱いています。Balkrishnaは引き続き地域およびグローバルのセクターに関し経験豊富なアドバイザーからのサポートを受け、必要に応じて助言および重要な洞察を得ます。

このようなグローバルの視点からなるインプットは、真にグローバルな問題への取り組みを目指しているインパクト投資のみならず従来の投資にとっても成功に不可欠です。また、プラスのインパクトが期待できる魅力的な投資対象を発掘するために、運用プロセスの初期段階から責任投資チームのスタッフが有する専門知識を活用します。長期的な変化が銘柄間のリターン格差となって現れる中、プラスのインパクトは表面化するのに時間がかかるため、調査力は極めて重要であり、インパクトをもたらす投資ユニバースも進化していく中、貴重な優位性になると確信しています。

投資ユニバースの定義
世界経済のなかでプラスのインパクトの創出が期待できない分野は、当初から除外されます。対象は、成人向け娯楽、アルコール、化石燃料1、賭博、タバコ、営利目的の刑務所、武器、不祥事スクリーニングで除外される銘柄などが挙げられます。

責任投資チームは、UN SDGsに沿った3つの柱と8つの小分類に基づき、インパクトに関する産業レベルの基準を設け、ユニバースをさらに評価し、絞り込んでいます。

投資ユニバースは、①現在の売上高または利益の大半がインパクトの小分類のうち少なくとも1つと結びついていること、②10年後の予想売上高または利益の大半がインパクトの小分類のうち少なくとも1つと結びついていること、③特定の分野で最高水準を誇る課題解決を提供している、④特殊なインパクトを産み出す、という4つの基準のうち最低1項目を満たす企業で構成されます。

ポートフォリオ構築
Balkrishnaは、グローバルな株式リサーチ・プラットフォームおよび責任投資チームの分析を活用し、インパクト投資ユニバースの中から、グローバルで最も確信度の高い55~85銘柄へ投資します。責任投資チームは、独自の責任投資モデル(RIIM)を用いて15,000社以上の発行体における責任投資特性を体系的かつ能動的に評価しており、ポートフォリオ・マネジャーが行う投資先企業の質と長期的な持続可能性の評価を補佐します。

当運用では、製品、業種、ガバナンスおよび潜在成長性に基づき、明白なインパクトおよびリターンの創出が期待できる銘柄を選別します。グローバルに配置されているセクター・アナリストや地域スペシャリストと密接に協働し、徹底したファンダメンタル・リサーチを行い、金銭的リターンと同時に事業から生まれるポジティブとネガティブなインパクトを総合的に分析し、最も魅力的な銘柄を特定します。

ESGインテグレーション、アクティブ・エンゲージメント、スチュワードシップ
銘柄選択のプロセスは、明白に定義されたプラスのインパクト・テーマを出発点とします。インパクト・テーマにはESGが統合されていることが必要となります。ESGを運用商品として提供するために、当社ではESGファクターを投資判断に統括的に織り込むため、責任投資の分野にリソースを投下し、実力の向上に努めてきました。当社は、ESGファクターは伝統的な投資テーマから切り離すことは不可能であり、よって、お客様のために最善の成果を生み出すにはESGファクターをファンダメンタルズと統合しなければならないと考えています。

ESGインテグレーションにおけるプロセスは、3つのレベルで実行されます。第1に、ファンダメンタル・リサーチおよび責任投資調査に携わるアナリストは、ESGファクターを各自の分析に取り入れます。

第2に、ティー・ロウ・プライス独自のRIIM分析を定期的に用いて、個別銘柄およびポートフォリオ全体のESG特性を把握します。第3に、ポートフォリオ・マネジャーは、ESGに係る課題を企業との議論およびポートフォリオ構築プロセスに統合します。

ESGスペシャリストのチームは、発行体におけるESG課題および一般的なESGテーマに関する調査を行います。加えて、同チームは、投資先発行体に影響を及ぼしうるESGファクターを能動的かつ体系的に分析するための独自のRIIMを含むツールを活用しています。現在および将来にわたりESGの複雑なベスト・プラクティスを実行するには厚みのある調査リソースが必要であることから、当社はお客様に優れたリターンを提供すべく当分野への投資を進めてきました。

エンゲージメント活動も企業分析を強化するための重要なツールです。当社は通常、企業がどのようにインパクト達成への取り組みを進め、具体的なプラスの成果を上げているかを理解することに注力します。エンゲージメントではポートフォリオのリターンに重大な影響を及ぼす可能性が最も高いと考えるESGファクターに重点を置いています。また、エンゲージメントは、企業のESGに係る管理監督および情報開示の改善を促したりモニタリングする機会であると捉えています。

議決権行使も運用プロセスの不可欠な一部であり、お客様の代わりに当社が果たすスチュワードシップ責任における重要な要素です。当社ではカスタマイズした議決権行使ガイドラインを用いることにより、ガバナンスの規範水準を設定していますが、グローバル株式インパクト投資戦略は、より厳格なガバナンスおよび議決権行使アプローチを採用しています。ガイドラインから逸脱する場合は、ガバナンス・チームが追加の分析を行い、ポートフォリオ・マネジャーおよびアナリストに具体的な行動に焦点を当てた推奨を行います。

インパクトの計測
投資戦略の目的の一つが環境面または社会的なプラスのインパクトの追求であることから、インパクトの計測と管理は運用プロセスにとって重要です。インパクトの計測と管理は以下の3つの目的を果たすと考えています。

  1. 重要業績評価指標(KPI)を通じて明白に定義された成果達成に向けた進捗を監視すること。
  2. 企業とのエンゲージメントを補佐し、インパクトおよび投資のテーマからの逸脱を特定すること。
  3. 進捗とインパクトの成果をお客様に報告すること。

すべての投資は、インパクトの重要性を銘柄毎に評価することから始まります。UN SDGsを指針として、業種固有かつ将来を見据えたインパクトの設定、事業活動の評価、インパクト投資に関する3つの柱および8つの小分類に基づき、責任投資チームが投資ユニバースを定義しています。

アナリストが運用チームと協働して投資テーマを定義し、各投資テーマには個別銘柄毎にKPIが設定されています。

この基本的ロードマップは、インパクト・テーマが期待通りに実現しなかった場合のイグジット(売却)をも明確にするなど、個別銘柄における保有の各段階におけるテーマを明確化します。また、投資テーマは、単一期間と長期累積期間の両方を振り返ることにより、個別銘柄の保有期間におけるインパクトの計測を可能にします。

規律あるリスクへの対応
リスクをポートフォリオ運用の他の要素から切り離されたものとして扱うと、運用アプローチは成果を上げられないと考えています。そのため、運用プロセスのすべての段階にリスク管理を取り入れています。

グローバル株式インパクト投資戦略は、プラスのインパクトを生み出す、確信度の高い銘柄へ投資しています。超過収益を創出し、絶対ベースおよび相対ベースのリスクを管理する上で、バリュエーションが重要であると考えています。

当戦略は、現時点でプラスのインパクトおよび将来の十分に認識されていないインパクトをもたらすと同時に、将来にわたり持続可能かつ力強い利益およびキャッシュフローの成長が見込めるとともに、経営陣の質が高く、資本配分に習熟した企業に注目しています。当社は、どのような局面においてもこれらの条件に合致した企業を特定する能力を備えていると自負しており、個別銘柄に起因するリスクおよびポートフォリオ全体のリスクを管理しつつ、十分に分散されたポートフォリオの構築を図ります。

重要情報

当資料は、ティー・ロウ・プライス・アソシエイツ・インクおよびその関係会社が情報提供等の目的で作成したものを、ティー・ロウ・プライス・ジャパン株式会社が翻訳・補記したものであり、特定の運用商品を勧誘するものではありません。また、金融商品取引法に基づく開示書類ではありません。当資料における見解等は資料作成時点のものであり、将来事前の連絡なしに変更されることがあります。当資料はティー・ロウ・プライスの書面による同意のない限り他に転載することはできません。

資料内に記載されている個別銘柄につき、売買を推奨するものでも、将来の価格の上昇または下落を示唆するものでもありません。また、当社ファンド等における保有・非保有および将来の組入れまたは売却を示唆・保証するものでもありません。

投資一任契約は、値動きのある有価証券等(外貨建て資産には為替変動リスクもあります)を投資対象としているため、お客様の資産が当初の投資元本を割り込み損失が生じることがあります。

投資一任契約は、お客様から金融商品に対する投資判断、及び投資に必要な権限を投資運用業者に一任いただき、その権限に基づき投資運用業者がお客様の資産を運用する契約です。

当社の運用戦略では時価資産残高に対し、一定の金額までを区切りとして最高1.265%(消費税10%込み)の逓減的報酬料率を適用いたします。また、運用報酬の他に、組入有価証券の売買委託手数料等の費用も発生しますが、運用内容等によって変動しますので、事前に上限額または合計額を表示できません。詳しくは契約締結前交付書面をご覧ください。

「T. ROWE PRICE, INVEST WITH CONFIDENCE」および大角羊のデザインは、ティー・ロウ・プライス・グループ、インクの商標または登録商標です。

 

ティー・ロウ・プライス・ジャパン株式会社

金融商品取引業者関東財務局長(金商)第3043号

加入協会:一般社団法人日本投資顧問業協会/一般社団法人投資信託協会

前の記事

2021年3月 / ポリシー・インサイト

金利ボラティリティの一段の上昇に備えるべき段階
次の記事

2021年3月 / インサイト

アジア・クレジット債投資におけるESGファクターの重要性
202104 - 1576418

こちらは機関投資家様向けのページです

こちらのページの内容は機関投資家様向けのものになります。機関投資家様かどうかボタンにてご確認いただきますようお願いいたします。

いいえ

ティー・ロウ・プライスのホームページから移動します