著者  Judith Ward, CFP®
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目的を持ったアセットアロケーションが資産形成において長期的な成功の鍵である理由

2025年5 月, Make Your Plan

サマリー
  • 資産の配分と分散は、ポートフォリオにおける重要な要素です。想定される投資期間とリスク許容度に適した資産の組み合わせを見つけることが成功への鍵となります。
  • 長期的な視点に立ち、退職時期が近づくにつれ、または状況が変化した際に、投資期間に応じて調整を行うことが大切です。
  • 仮に適切なポートフォリオ管理が難しいと感じる場合は、バランス・ファンドやターゲット・デート・ファンド(TDF)など、運用会社が代わりに資産配分を行う商品を検討する価値があります。

株式、債券、現金といった主要な資産に投資することは、短期的な安定性と長期的な成長性の適切なバランスを実現します。アセットアロケーション(資産配分)は、ポートフォリオのパフォーマンスを長期的に左右する重要な要素です。一般に、想定する投資期間が長いほど、ポートフォリオに占める株式の割合を高くすべきだと言われています。投資家の退職時期が近づき、退職後の生活に入れば、債券の割合を増やすことで市場の短期的な変動の影響を緩和しつつ、その後数十年に及ぶ老後生活における資産の成長機会を維持できます。当社のリタイアメント運用戦略のアセットアロケーションは、投資家のリスク許容度だけでなく、年齢や時間軸に応じた適切な資産配分を考慮し、設計されています(図表1参照)。
 

投資期間の想定は極めて重要です。

歴史的に、株式は長期にわたり主要な資産クラスの中で最も高いリターンを提供してきました。もちろん、短期的な株式のボラティリティは高い傾向にありますが、退職までの期間が長い投資家は、株式市場が下落した場合でも、その後回復するための十分な時間があるため、そのリスクを相殺できる可能性があります。保有期間が長いほど、株式の恩恵を享受できる可能性が高まります。債券は、株式と比較すると、平均的なリターンは低いものの、ボラティリティが低く、特に中期において安定しています。

(図表1)退職に備えるための資産配分例(年代別)
(図表2)資産クラスリターン(保有期間別)
(図表3)投資家は分散による恩恵を受けることが可能

キャッシュ(米国債券(3ヵ月物))は株式、債券と比べて最も低い平均リターンを提供してきましたが、変動幅が最も小さいという特徴があります。これらの資産クラスを組み合わせることで、成長の可能性と短期的な変動のトレードオフを管理することが可能です。

株式市場への投資には長期的な視点に立つことが必要です。短期的な視点で投資すると、市場が頻繁に変動するため、冷静になれず感情的に投資判断をしてしまう可能性があります。

市場の下落は短期的な損失を招く可能性がありますが、長期的な視点では状況は異なります。図表2に示すように、株式の収益の変動性は保有期間が長くなるにつれて低下します。つまり、市場の下落局面や調整局面でも投資を継続することが、長期的な成長可能性を活かすことに繋がるのです。
 

株式・債券それぞれにおけるアセットアロケーションも有益です。

株式や債券等の各資産クラス内でも分散投資を行うべきです。ここでの分散投資とは、株式では小型株、大型株、グローバル株など、債券ではグローバル債券、ハイイールド債券、投資適格社債など、資産クラス内でも異なる資産に投資し、ポートフォリオが特定の資産に偏りすぎないようにすることです。

図表3は、各投資資産の1年ごとのリターンの急激な変化を示しています。例えば、ある年に最も大きく上昇した資産が、翌年には最も下落する可能性があります。資産を幅広く分散させることで、上昇する資産への配分を確保しつつ、下落する資産によってパフォーマンスの悪化を防ぐ効果があります。

当然ながら、分散投資は利益を保証したり、下落市場での損失を回避したりするものではありません。株式と債券の配分において、以下の配分が目安になるでしょう(米国の投資家向けに作成されたものです)。

株式:

米国大型株 60%

先進国株 25%

米国小型株 10%

新興国株5%

債券:

米国投資適格社債 45%

米国国債 10%~30%

非伝統的債券 10%

ハイイールド債券 0%~10%

グローバル債 10%

新興国債 0%~10%
 

貯蓄すべき目標額は?

適切な資産配分に加え、投資家は退職後の生活資金としてどの程度の貯蓄が必要かを決定する必要があります。これは退職後の生活の豊かさを左右します。ほとんどの投資家は、401(k)などの職場のプランを通じて利用可能な企業からの拠出金も含めて収入の15%以上を貯蓄すべきとされています。仮に、現時点で15%の拠出が不可能であれば、低い割合から始めて、徐々に増加させる計画が有効でしょう。

Judith Ward, CFP® ソート・リーダーシップ・ディレクター​

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