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2021年8 月 / インサイト

複雑な市場環境ではアクティブな銘柄選択が求められる

現在、株式市場を動かす様々な要因が非常に複雑に絡み合っています。ファンダメンタルズの観点からは、短中期の経済・企業データは非常に強い状況です。しかし、バリュエーションの観点からは、特殊な環境下でリターンを追及するマネーの存在により、逆張り投資が効きにくくなっています。​

大型の金融・経済対策や景気回復、新型コロナウイルスのワクチン接種の進展は、株式市場にとって非常に強い追い風となります。一方で、最近はリスク選好姿勢の加速により個別銘柄がこれまでとは異なる値動きをするようになっています。こうした環境下では、冷静な状況分析に加え、「ファンダメンタルズの変化」と市場サイクルが成熟化する際に顕在化する傾向のある「テーマやファクターの改善に注目した資金フローの変化」とを見極める、非常にアクティブなリスク管理が求められます。​

多くの先進国で新型コロナウイルスのワクチン接種が大きく進展していますが、コロナ後の世界への移行にはまだ時間がかかりそうです。各国は治療法の確立や感染対策に取り組んでいますが、ウイルスとの戦いはまだしばらく続くでしょう。しかし我々は株式に対し弱気のスタンスを取っているわけではなく、こうした環境ではポートフォリオのバランスに留意し、市場の反応に惑わされないようにすることが大切であると考えています。

米バイデン政権の優先課題は明らかに成長を促進するものです。これらの政策の推進により、長期の構造的なディスインフレ要因と短期のインフレ要因がせめぎ合う興味深い状況が予想されます。コロナショック以降は、大規模な政策支援が資産価格を支えてきましたが、今後は、法人税引上げにより税引後の企業利益は圧迫されるでしょう。2021年は企業利益の大幅な伸びが想定されますが、今は2022年や2023年を見据えた投資戦略を検討すべき時であり、今後も成長の持続性の見極めがポートフォリオの攻守の要となるでしょう。​

私がポートフォリオ・マネジャーを務めるグローバル・グロース株式運用戦略では、株価に影響を及ぼす様々な要因を認識し、バランスの取れたポートフォリオを構築するよう心掛けています。ポートフォリオ全体のベータをベンチマークと同程度に保ちつつ、特定のセクターへの傾斜を避け、セクター内の銘柄選択に注力します。個別銘柄の動きを見てみると、ファクター分散が非常に大きいことや2021年におけるグロース株からバリュー株への積極的なローテーション等により、ボラティリティが高くなっているように感じられます。また、バリュー・サイクルの長期化について強気の意見が多く聞かれますが、将来を見据えた視点に立つと、スタイル・ベースではグロースとバリューが拮抗するニュートラルな状態に近いと感じています。こういった環境は個別銘柄に着目した分散投資に適しています。

市場はコロナの消費への影響を引き続き過小評価​

当戦略が最もオーバーウェイトにしているのは一般消費財・サービスセクターです。新型コロナウイルスの影響で同セクター内に非常に大きな変化が起き、勝ち組と負け組の明暗が分かれたと我々は見ています。具体的には、電子商取引(eコマース)が急速に普及し、そのシェア拡大が数年前倒しされました。我々はこの変化を構造的なものと考えており、このトレンドの恩恵を受ける様々な銘柄に投資を行っています。​

コロナ禍の勝ち組である長期成長企業の多くは、コロナ禍で業績が目覚ましく拡大した2020年半ばとの比較となる2021年半ばは前年比でそれほど高い業績の成長が望めない可能性があります。しかし当運用では、株価はこれらの企業の長期的な成長を適切に織り込んでおらず、同セクターの投資機会の魅力度は高まっていると考えています。市場は新型コロナウイルスの消費動向への影響や、競争力と独自性のある商品とこれを支える競争力と差別化されたオンラインでの立ち位置の双方を維持することの必要性を過小評価していると考えています。この考え方は当運用における同セクターの多くの保有銘柄に反映されています。​

その最たる例がAmazonです。同社の株価はここ数年非常に大きく上昇したため、多くの投資家がこの先さらにどこまで株価が上昇するのかを議論しています。

我々はeコマースやクラウド・コンピューティング(Amazon Web Services)における同社のポジションを高く評価しており、Amazonは市場平均を上回る魅力的な成長が十分期待でき、成長の持続性という面でも優れていると考えています。​

バリュー株や経済再開銘柄へのローテーションが盛んな環境において、持続的な成長が期待できる銘柄に妥当なバリュエーションで投資するという観点から、我々は大型テクノロジー銘柄への逆張り投資をしています。業績とバリュエーションの両面で我々が魅力的と考える主な銘柄はAlphabetと Facebookで、Zoomはコミュニケーションの媒体としてのビデオ会議の将来性に着目して保有する主要銘柄の一つです。​

全体的に見ると、現在の市場は引き続き急激な変化や高水準の不確実性という特徴を有しており、バリュエーションと業績ファンダメンタルズに対する規律ある運用姿勢が求められます。こうした原則は当社の運用プロセスに深く組み込まれており、我々は確信度の高い銘柄で構築されたポートフォリオを維持することで、長期にわたりお客様に持続的な成長をお届けできると考えています。

 

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当資料は、ティー・ロウ・プライス・アソシエイツ・インクおよびその関係会社が情報提供等の目的で作成したものを、ティー・ロウ・プライス・ジャパン株式会社が翻訳・補記したものであり、特定の運用商品を勧誘するものではありません。また、金融商品取引法に基づく開示書類ではありません。当資料における見解等は資料作成時点のものであり、将来事前の連絡なしに変更されることがあります。当資料はティー・ロウ・プライスの書面による同意のない限り他に転載することはできません。

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投資一任契約は、値動きのある有価証券等(外貨建て資産には為替変動リスクもあります)を投資対象としているため、お客様の資産が当初の投資元本を割り込み損失が生じることがあります。

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ティー・ロウ・プライス・ジャパン株式会社

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