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お知らせ

スチュワードシップ・コードについて

ティー・ロウ・プライス・ジャパン株式会社およびその関係会社(以下「ティー・ロウ・プライス」)は、資本市場における透明性および効率性の向上の目的のため、機関投資家が一定のガバナンスおよび監督責任を負うことに賛同します。

 

よって、ティー・ロウ・プライスでは2010年に英国版スチュワードシップ・コードへ署名、日本においても「『責任ある機関投資家』の諸原則≪日本版スチュワードシップ・コード≫」に賛同、受け入れを2014年8月31日に表明いたしました。また、2020年3月24日に改訂されたコードを受け入れております。

 

当サイトでは日本版スチュワードシップ・コードへ対応するものですが、ティー・ロウ・プライスでは原則グローバルにて同一の方針及びプロセスにて上場株式のみならず未上場株式や債券なども含めた有価証券全般に対応しております。

 

 

 

日本版スチュワードシップ・コードへの取組について

 

2021年5月31日改訂

 

原則1
機関投資家は、スチュワードシップ責任を果たすための明確な方針を策定し、これを公表すべきである。

 

パーパスとバリュー

‘At T. Rowe Price, we have one business—investments—and one purpose—to help our clients create more secure financial futures.’

ティー・ロウ・プライスは1つの事業と、1つのパーパスしかありません。それは、資産運用とお客様が金銭的により安心できる将来を送れるようサポートすることです。

 

ティー・ロウ・プライスは、独立したグローバルに展開する、主にアクティブ運用に特化した資産運用会社です。お客様よりお預かりした資産を優れたスチュワードシップに基づいて運用することを中核に据えています。運用会社として、優れた長期的なリターンを届けると同時にお客様に代わりポジティブな変化をもたらす受託者責任を担っていると考えています。

 

1937年の創設以来、このコア・バリューを事業のガイダンスに据えています。変動するマーケットや大きく変化する規制環境の中でも指針となり、チームワークの大切さ、高潔さといった企業文化の醸成を促すことで、お客様へ優れた資産運用をお届けできると考えています。

 

ビジネスモデル

ティー・ロウ・プライスでは、株・債券・マルチアセットにてアクティブ運用を中心にご提供しています。長期的に優良なパフォーマンスをお届けすることを目的に、将来の見通しに基づいた、確信度の高いポジションによって構成される運用アプローチを採用した多岐にわたる運用戦略を、お客様のニーズに合わせた投資形態でお届けしています。当社では運用リサーチをグローバルに展開しており、サステナビリティへの考慮についてもESGスペシャリスト・チームと専門のテクノロジー・チームにより多岐にわたるESGファクターの分析を可能にし、運用プロセスへの統合をサポートしています。

 

当社独自に開発した責任投資モデル(RIIM)、インパクト・レンズ、ESGラベル債フレームワークを活用することで第三者機関によって提供されるデータを超える、より深い知見をポートフォリオ・マネジャー及び担当アナリストへ提供し、ESGファクターを投資判断に統合することをサポートしています。

 

当社の運用アプローチの中核は投資先発行体とのエンゲージメントにあります。発行体とは常に多岐にわたるアジェンダで対話を行っていますが、ESGにフォーカスした対話においては発行体の事業にとって影響の高い環境に関する取り組み、コーポ―レート・ガバナンス、そして社会的課題について開示をお願いし、意見交換、時によっては影響を行使します。当社の期待を発行体へ伝え、多くの場合、当社が発行体の事業の成功にとって必要であると考える変革を促しています。

 

これらの当社におけるスチュワードシップ活動の各種方針は適宜見直しを行っており、ホームページ に公開しています。

  • 環境・社会・ガバナンス(ESG)方針
  • 気候変動に関する投資方針
  • 議決権行使について
  • エンゲージメント方針
  • アクティビスト活動に対する考え方
  • サステナビリティへの主要な悪影響に関する方針
  • 人権侵害による投資除外方針

 

原則2
機関投資家は、スチュワードシップ責任を果たす上で管理すべき利益相反について、明確な方針を策定し、これを公表すべきである。

 

ティー・ロウ・プライスにおける基本的な利益相反管理方針は倫理規範に定めており、ホームページ にて公開しています(英語のみ)。また、以下の方針もご参照ください。

 

 

スチュワードシップにおける利益相反管理について

当社では利益相反が想定されるケースでは顧客の利益を最優先し対応することとしています。資産運用ビジネスにおいては、以下のケースを想定しています。

 

 

 

1. (運用会社の)資本構成
ティー・ロウ・プライスは独立した運用会社であるため、このケースは想定しにくいと考えています。ティー・ロウ・プライスでは1937年より資産運用に特化した事業を展開しており、1986年よりNASDAQ(米国)に上場しています。ティー・ロウ・プライス・ジャパン株式会社はその子会社であるティー・ロウ・プライス・インターナショナル・リミテッド(英国)の子会社です。いずれも業務は顧客の資産運用を主としており、その他の業務は限定的です。グループの運用資産総額の規模、債務を持たない優れた財務基盤、保守的に運用されている十分なキャッシュを有するバランスシートを有していることから、お客様への資産運用サービスに特化し、注力することを可能としています。

 

 

2. 社員個人の行動
当社の倫理規定により全社員が顧客と利益相反となるような行動を回避するよう定めており、社外活動にて事業への従事を制限しています。多岐にわたるリスクの査定・評価プロセスを導入し、個人の金融商品取引、贈品や接待、社外活動、政治献金、など様々な形で社員個人と顧客の利益が相反する可能性のある分野についてモニタリングを行っています。

 

また、ポートフォリオ・マネジャーやESGコミッティーのメンバーは、家族や近い親戚が投資先企業の取締役を務めているなど個人的な関係が認められる場合は当該企業の議決権行使プロセスへの参加を禁止しています。

 

コンプライアンス部門では、ティー・ロウ・プライス・グループの関連会社全てにおいて取引のある企業の一覧を管理し、利益相反の可能性についてモニタリングしています。取引先企業には主要な業務委託先や当社で利用している製品提供元、証券会社、重要な投資アドバイザーやレコードキーパーなどの他、当社関連会社のディレクターが取締役を務めている企業などが含まれます。リストは毎年更新しており、利益相反の内容、監督担当者、該当する管理方針、管理プロセスや必要な場合は開示規定などを明確にして管理しています。登録先や該当する方針や管理プロセスは定期的に関係者により見直されており、コンプライアンス・アセスメントや内部監査計画及び開示はこのリストに基づいて行われています。

 

 

3. 当社と顧客のスチュワードシップ方針が異なる場合
当社と顧客の間で議決権行使方針やフォーマルまたは書面による投資先企業とのエンゲージメントをエスカレーションさせるケースにおいて想定されます。当リスクは議決権行使監理プロセスに基づいて管理しています。

 

議決権行使監理
ESGコミッティーは、議決権行使に係るティー・ロウ・プライスと顧客との利益相反をモニタリングし、常に議決権行使は顧客の利益のみに基づき行われるようテクノロジー及びコンプライアンス基準を適用し執行の確保に務めています。例えば、機関投資家営業部門やマーケティング、個人向けセールス部門の従業員は議決権行使について決定権を有するESGコミッティーからは除外しています。

 

さらに、議決権行使ガイドラインでは利益相反を回避するため、受託者責任の観点から策定されています。あらかじめ定められたガイドラインとは異なる行使を行う場合、行使対象の企業が受託会社や販社などを含めた取引先企業、取引の相手方証券会社、物品納入会社、または顧客であった場合利益相反となるケースが想定されるため、ポートフォリオ・マネジャーはガイドラインと異なる行使を行う理由を提示、ESGコミッティーによる精査および承認後に行使が可能となるプロセスとしています。

 

議決権行使監理方針にて想定されている範囲を超えて利益相反が疑われるケースが発生した場合は、倫理委員会にて解決を諮ります。(尚、2021年12月末時点にて倫理委員会にエスカレートしたケースは過去ありません。)

 

 

4.運用戦略の違いにより運用目的が異なる場合
複数の運用戦略にて、同一発行体による異なる証券へ投資しているケースにおいて利益相反が想定されるケースがあります。例えば、ある戦略では同一発行体の優先株式に、もう一つの戦略では普通株式に投資している場合や、同じく同一発行体の債券と株式に投資しているケースではお互いの顧客の利益が相反する可能性があると考えられます。ティー・ロウ・プライスでは、こういった場合以下の手順を踏みます。

 

a. シニアマネジメントへのエスカレーション
b. 双方の運用戦略の社内関係者への透明性確保(全開示)

 

想定される事例としては、エンゲージメントをエスカレーションする場合です。例えば、株式運用戦略にてある企業に対し事業経営戦略の変換を求めたり、コーポレートガバナンスの向上を求め、取締役会宛に書面を送る場合、コンプライアンス部は当該戦略へ投資している顧客が当社の他の運用戦略を通じ同一企業が発行する債券など他の証券への投資がないか確認します。保有があった場合には、該当する運用戦略を担当するポートフォリオ・マネジャーが債券運用の観点より書面を確認し、修正または追加を行うことができます。同様に、債券運用戦略にてアクションを起こす場合も、株式運用戦略の担当者は意見を反映する機会が与えられます。その後さらに、株式・債券両部門のシニア・マネジャー、法務及びコンプライアンスのスタッフからなるチームにより、このエンゲージメントをエスカレーションした結果、当該企業が発行する各証券にどのような影響があるか精査しています。

 

一番重要な点は、ポートフォリオ・マネジャーとアナリストは定期的に企業の経営陣との対話に同席していることです。経営陣との対話では通常、経営戦略、財務または事業業績、業界環境、資本配分、そして環境、社会、ガバナンスと様々なトピックが含まれます。普段より対話に同席していることで透明性の確保につながり、さらには利益相反リスクの軽減につながると考えています。企業との対話は全て、株式・債券・マルチアセット運用部門のスタッフ全員と共有されており、さらに、同一企業及びセクターをカバーするクレジットと株式アナリストは普段より経営陣との対話に同席しており、それぞれの観点から意見を交わしています。アセットクラス間において完全な透明性を確保することが、異なる運用戦略間における顧客同士の利益相反防止につながると考えています。

 

 

5. 合併買収 (M&A)にて売り手と買い手双方の企業を保有している場合
M&Aにおいて売り手と買い手の双方の企業へ投資している場合、それぞれの企業の株主にとって最も適切となるよう投票します。例えば、企業Aが適正価格を上回る価格で企業Bを買収しようとしている場合、受託者責任に基づくため、(双方の企業ともに買収について株主決議事項の対象となる場合には)企業Bの株主総会では賛成を、企業Aの株主総会では反対を投じます。

 

 

 

6. 取引先企業や顧客企業などに投資する場合
ティー・ロウ・プライスを投資アドバイザーまたはレコード・キーパーとして採用している企業、ティー・ロウ・プライス・ファンドなど当グループが運用する投資信託に投資している企業、当グループ会社の顧客企業、または当グループの重要な業務委託先企業、または製品・サービス提供元企業へ投資する場合があります。顧客の資産にかかる投資判断は、当社の取引先関係は考慮されず、受託者責任のみに基づいて行っています。

 

 

利益相反の開示
ティー・ロウ・プライスでは重要な利益相反は米国SECによって定められているSEC Form ADV Part2Aにて開示しています。この規定開示には当社の業務内容、報酬料率、利益相反、規制違反やその他規制に関する開示が含まれています。さらに、当社が利益相反管理が適切でなく、顧客の資産に影響がある可能性が高いと判断した場合も開示に含むケースがあります。規制に基づく開示は、それぞれの市場における監督省庁により定めらている規定に従い、顧客が十分な情報に基づき判断を行えるよう利益相反の内容や要因について開示を行います。顧客向け開示は、定期的な見直しを行い、最新の開示内容となるよう努めています。

 

ガバナンス体制
ティー・ロウ・プライスでは、当社の株主の利益および当社の顧客の利益を第一に優先するためのガバナンス体制を敷いています。ティー・ロウ・プライス・グループの取締役会は全ての顧客の利益を守るため、トップクラスのガバナンス慣行を心がけており、方針、プロセス、アクション全てが最高の倫理と誠実さを誇るよう努めています。

 

議決権行使を含め、ESGに関するガバナンス体制は取締役会指名・ガバナンス委員会の監理下にあります。ティー・ロウ・プライス・グループの取締役会は独立社外取締役が大半を占めており、当該委員会のメンバーは全員独立社外取締役です。


ESG説明責任

  役割
取締役会 取締役会では、ESG投資にかかる報告を毎年受け、ESGに関する目標の達成を監理しています。指名・ガバナンス委員会がESGにかかる監理責任を担っており、メンバーは全員社外独立取締役(非常勤)です。
エグゼクティブ・リーダーシップ 当社のESGスペシャリストは運用部門に属しており、シニア・マネジメントに直接報告しています。2021年後半からは、責任投資リサーチ部門ディレクターおよびコーポレートガバナンス責任者は、経営委員会のメンバーでもあるグローバル株式部門責任者およびCIOの下に配置されています。
マネジメント

シニア・リーダーにて構成されているESGコミッティーはESGインテグレーションにかかる全ての取り組み全般を監督しています。ポートフォリオ・マネジャーとアナリストは投資判断にESGファクターを考慮する責任を負っており、よって年次評価においてESGインテグレーションも評価対象となっています。

シニアな営業およびプロダクト部門スタッフにて構成されるESGタスクフォースは、ティー・ロウ・プライスのESGにかかる活動が顧客のニーズに沿ったものとなるよう責任を有しています。

 
原則3
機関投資家は、投資先企業の持続的成長にむけてスチュワードシップ責任を適切に果たすため、当該企業の状況を的確に把握すべきである。

 

ティー・ロウ・プライスでは財務、マクロ経済、その他定性分析と共にESGファクターの分析も全ての資産クラスにて運用プロセスに統合されています。ESGファクターは投資リスク・リターンに影響を及ぼすと考えており、当社独自のファンダメンタル分析の一部として行っています。また、多くのお客様の運用目的が金銭的なリターンのみではないことを受け、お客様の価値観を反映させた、または環境・社会課題の解決に対しポジティブなインパクトの創出を目的とするような運用戦略のご提供も行っています。

 

ESGインテグレーションは、ESGファクターを投資分析に統合することにより、投資パフォーマンスの最大化を目的としており、受託者責任を最優先事項としています。ティー・ロウ・プライスでは、ESGインテグレーションは運用の基盤であると考えており、全ての資産クラスにおける運用リサーチ・プラットフォームに組み込んでいます。ESGインテグレーションは、可能な限り当社の全ての運用資産において適用されています。その基盤の上にお客様の価値観を反映させた戦略、またはサステナビリティも運用目的として据えた運用戦略のご提供を行っています。

 

ティー・ロウ・プライスは独自の精緻なファンダメンタル分析に基づいた運用を提供しています。この背景には、トーマス・ロウ・プライスJr.が企業の長期的リターンは投資機会とリスクを分析することにより得られるとの信念に基づき、自ら行う徹底したリサーチが最も重要とする運用会社を世界的大恐慌時に創設、今日では世界有数のファンダメンタル・リサーチに基づく運用会社となっています。ESGインテグレーションも例外ではなく、独自のリサーチを基本としています。

 

ティー・ロウ・プライスでは独自のファンダメンタル分析に基づき、長期的に優良なリターンを目指す運用を提供していることから、ESGファクターも含め、投資対象企業における経営陣、業績、事業戦略のモニタリングは必然的に運用プロセスに組み込まれています。エンゲージメントをはじめとする投資対象のモニタリングは各運用担当者が行っており、その頻度は投資対象のアセットクラス、報告開示頻度、ポジションサイズ、そしてパフォーマンスの憂慮度合いなどによって異なります。基本的なアプローチは株式・債券ともに同様です。株式及び社債の場合であれば、当該企業の担当株式及びクレジット・リサーチ・アナリストは重要な情報が公開された時、業績発表時、経営戦略に変化がみられた時、などに企業の経営陣と対話を行なっています。また、次の対話までの間には、企業の公開情報をはじめ、ブローカーによる分析、投資家向けカンファレンス、業界紙、IRイベントなど様々な情報を元に常に企業の状況の把握に努めています。

 

ティー・ロウ・プライスでは、ESGファクターもバリュエーション、業績、業界トレンド、マクロ経済などといった伝統的なインプットと同様に投資判断に必要なインプットの一つと考えていることから、ESGファクターの評価のみで投資判断を行うことはありません。運用プロセスにおいて、ESGファクターは投資アイデアの初期段階から投資後まで投資サイクル全てにおいて複数の段階で考慮されています。

 

  •  投資対象証券のESGデータの収集とモニタリング
  • ファンダメンタル分析を通じた“レッド・フラッグ”が示唆するESGリスク分析
  • ポートフォリオ構築時に考慮するESGリスクと投資機会
  • 取締役会、経営陣、その他ステークホルダーや省庁などとのエンゲージメント
  • (株式の場合)議決権行使

 

ESGインテグレーションは投資対象である企業及び発行体をよく知るリサーチ・アナリスト及びポートフォリオ・マネジャーが行うことがより有効であると考えています。よって、投資判断にESGファクターを組み込む責任はリサーチ・アナリストとポートフォリオ・マネジャーが担っており、ESGスペシャリストである責任投資チームとコーポレート・ガバナンス・チームが専門的な知識を以てそれを支援しています。以下、当社のESGインテグレーション・アプローチにおける原則です。

 

  1. インテグレーション;ESGインテグレーションとはESGファクターとその他のファクターとのバランスを取ることが必要であるため、ESGファクターを統合する責任はポートフォリオ・マネジャーとアナリストにある。
  2. 協働;運用プロフェッショナルが判断にESGファクターを組み込むための支援として、ESGおよび規制リサーチの専門家を運用部門に配置。アナリストやポートフォリオ・マネジャーと協働し、特に重要な事項については徹底的な調査を通じて投資判断を支援します。
  3. マテリアリティ;運用パフォーマンスに大きな影響を及ぼす可能性が最も高いESG要因に重点を置く。

 

 

ESGファクターの分析・モニタリング
ESGスペシャリストは発行体レベルおよびテーマに沿ったESG分析を運用スタッフに提供しています。ESGファクターは定性的な情報が多くかつ開示情報が限られているため、経済・財務情報のように的確な状況の把握及びモニタリングは容易ではありません。よって、ティー・ロウ・プライスでは、責任投資モデル(RIIM)を開発しました。

 

RIIMは当社のESGインテグレーションを支えるシステムであり、以下の優位性を誇っています。

  1. 投資対象のESGファクターのデューデリジェンス結果を同一基準で表すことが可能であり、当社の運用プラットフォーム全般で適用が可能
  2. RIIMを利用することによりポートフォリオ・マネジャー、アナリスト、ESGスペシャリストと運用部門スタッフ全員の共通言語としてESGパフォーマンスや他社との比較を可能にする

RIIMを活用した運用プロセスは、株式、社債、国債、地方債、そして証券化商品など複数の資産クラスで確立されています。そのプロセスは入手可能なESGデータの特徴を踏まえ、資産クラス別に分けられています。

RIIMによる定量分析の後、ESGスペシャリストが特定の企業及びソブリンについて更なる詳細な分析を行います。リサーチ・アナリスト及びポートフォリオ・マネジャーはこれら責任投資チーム及びガバナンス・チームによる定量分析及び詳細な分析を元に投資対象とエンゲージメントを行うなどサステナビリティも含めた投資対象の的確な状況の把握に努めています。

 


 


 

原則4
機関投資家は、投資先企業との健全な「目的をもった対話」を通じて、投資先企業と認識の共有を図るとともに、問題の改善に努めるべきである。

 

ティー・ロウ・プライスでは、機関投資家としての責任は有価証券を購入後も続くものであると考えています。当社のエンゲージメントは運用部門が主導しており、投資テーマにとって重要である点にフォーカスをあてて行っています。対象企業について深い知識を有する担当リサーチ・アナリスト、環境(E)・社会(S)・ガバナンス(G)などサステナビリティに関する専門的知識を有するインハウスのESGスペシャリストと協働し、ポートフォリオ・マネジャー主導によりエンゲージメントを行っています。ティー・ロウ・プライスでは全て自社の運用スタッフがエンゲージメントを行っており、第三者のサービスは利用していません。

 

アプローチ
ティー・ロウ・プライスでは、アクティブ運用の提供を主としているため、エンゲージメントにおいてもリサーチを通じ、個別企業毎にパフォーマンスの潜在的な障害になりうる具体的な材料について、ポートフォリオ・マネジャー主導の下に行うことが主体です。次のような例が挙げられます。

 

 

  • 経営陣のパフォーマンスは当社の期待に比べてどうか?
  • 会社の取締役会においては誰が株主の代表者となるのか?取締役会は企業の経営戦略にとって有意か?
  • 執行役員の報酬制度 、 経営陣にとってのインセンティブの決定要因は何か?
  • その会社において株主の権利はどの程度強いのか?
  • 環境リスク 、人的資源 、設備 、ステークホルダーとの関係 、そして重要不可欠なリソースに対する長期アクセスの管理能力は?
  •  株主や債券保有者は満期を迎える前に利益にマイナスの影響を及ぼす可能性のあるESG リスクはあるか?

 

当社では、企業発行体に対しては株式・債券といった資産クラスにかかわらず同様のエンゲージメント・スタイル適用しています。ただし、企業以外の発行体とのエンゲージメントにおいては、投資サイズ、発行体との関係、(デフォルトしているか否かなどの)クレジットの状況など様々なケースが想定されるため、都度異なるアプローチをとっています。

 

広範なテーマに基づき複数の企業に同様のエンゲージメントを行うことは多くありません。アクティブ運用では、ポートフォリオ・マネジャーは目標の達成が難しいと思われる証券を売却するという手段を有していますが、以下のケースではエンゲージメントをエスカレートする場合があります。

 

エンゲージメント手法(企業)

企業発行体とのエンゲージメントは通常、取締役会宛書面、個別ミーティング(対面、カンファレンス)、議決権を通じて行っています。エンゲージメントの約半数を少し超える程度がESGスペシャリスト・チームのみにて行っており、残りはポートフォリオ・マネジャー、担当アナリスト、そしてESGスペシャリストが同席して行っています。企業側の出席者は、約半数以下がサステナビリティ担当者または管理職、2割程度が取締役または経営陣となっています。

 

 

運用戦略、資産クラス、市場の違い

ティー・ロウ・プライスでは、運用戦略毎にエンゲージメントのアプローチを変えることはありませんが、インパクト投資戦略ではアディショナリティの追求のため、より議決権とエンゲージメントを結合させる活動を重点的に行っています。インパクト・リサーチ・ミーティングは週次にて、常にアディショナリティについての議論を行っており、ここでの議論を反映させています。

 

 

エンゲージメントは株式と債券双方の運用担当者に開かれており、資産クラスによる違いはないものの、市場によってはその地域の慣行や規制を反映させる場合があります。(例 協働エンゲージメントに対するアプローチ)

 

 

エンゲージメントを行うタイミング

エンゲージメントでは株式・債券双方の運用担当者が参加すべきと考えており(オープン・ドア・ポリシー)、エンゲージメントのスケジュールは運用部門全体で1つを共有し、運用部門に属するポートフォリオ・マネジャーやアナリストは保有の如何にかかわらず誰でも参加することが可能です。誰でも意見を述べることは可能ですが、ミーティングの運営は当該企業の担当アナリストの責任となっています。当社から企業にエンゲージメントを申し込むケースの例として以下が挙げられます。

 

 

  • 総会前、議決権行使にあたり更に情報が必要と考える場合。これは特に当社が大株主である場合や、アクティブ運用で保有しているケースではよく見られますが、時に、投資サイズが小さかったり、インデックス運用である場合でも、企業の開示や議案の内容によっては妥当であると考えられる場合もあります。
  • 企業の環境(E)、社会(S)、ガバナンス(G)について更なる開示、取り組みについて情報を求める場合。例えば当社の責任投資モデル(RIIM)により、リスクが検出された場合です。また、改善の余地があると判断されていた場合は、改善状況についてフォローアップを求めるケースもあります。
  • 財務、非財務にかかわらず、パフォーマンスによってエンゲージメントが必要と判断する場合。例えば、重要な不祥事が発生した企業に対し、対話を通じて状況や企業の取り組みなどについて確認をします。または、環境課題に対する取り組みや従業員の処遇など企業のサステナビリティへの取り組みに懸念がある場合も対話を行います。また、2021年よりテーマに基づく対話も開始しました。

 

一方、企業から対話の申し込みを受けるケースもあります。

  • 総会前に、議論となっている議案について議決権助言会社などから反対の推奨が出ている場合。または、ある議案が当社の議決権行使ガイドラインとは反すると認識している場合。
  • 企業が、ESGにおける開示についてフィードバックを求めている場合。また、企業が変更を検討している事項について意見を求める場合。
  • 重要な不祥事が発生し、経営陣が株主に対し説明を行う場合。

 

 

企業以外の発行体とのエンゲージメント

当社のアナリストが企業以外の発行体とも直接対話を行っています。ソブリン債など発行体とのエンゲージメントが限定的である場合、強化するためにThe Emergng Markets Investors Allianceなど協働エンゲージメントを活用するケースもあります。

 

 

 

協働エンゲージメント

協働エンゲージメントは顧客にとって資すると判断され、規制の範囲内において、当社のプロセスを経て解決できなかった懸念をエスカレーションする手段としての協働エンゲージメントが増えています。協働エンゲージメントは通常他の投資家とともに特定のアジェンダや特定の変化を促すために協働で対話を行います。当社が協働エンゲージメントに参加する場合は以下の5つの要素を考慮します。協働エンゲージメントは通常、機関投資家向けアソシエーションや機関投資家を対象として規制当局や企業が設立したイニシアティブへ加入しています。

 

 

 

エスカレーション

運用チームが、長期的なパフォーマンスに確信度を持っているものの、企業との対話に満足していないケースではエンゲージメントをエスカレーションする場合があります。エスカレーションは、企業が妥当だと思われる期間内に目標を達成できずエンゲージメントが必要とする場合もあります。

 

エンゲージメントのエスカレーションについての判断の際には、企業または特定のテーマについて質問を想定します。以下のケースでは、問題企業をすぐ売却するのではなく、エンゲージメントのエスカレーションを選択します。

 

  • 資本構造上大きなシェアを有しており、長期的に保有を希望する場合。
  • ポートフォリオ・マネジャー間で懸念点の内容とその解決法(可能性)について合意が形成されている。
  • 当該企業の経営陣が当社と建設的な対話を望んでおり、問題の解決に意欲的である。

 

 

財務パフォーマンスが悪化した場合

財務パフォーマンスが一定期間アンダーパフォームした場合、担当アナリストはまずは公開されているレポートや情報を元にその原因と背景の理解に努めます。エスカレーションする場合は、CEOやCFOといった経営陣と、当該企業へ現在投資をしているまたは投資を考えている運用スタッフ全員とのミーティングを行うケースがほとんどです。

 

 

 

ESG関連不祥事

ESGに関する重要な不祥事が発生した場合、責任投資、ガバナンス、当該企業担当アナリストが協働して想定する質問書を作成します。まずは広報担当者と該当するガバナンスまたはサステナビリティ担当者とのミーティングを申し入れます。このミーティングの結果によっては、取締役とのミーティングを申し入れることもあります。

 

 

ESG関連不祥事の場合、以下のポイントが重要になります。

  • 取締役会はどんな報告を受けていたか?
  • いつ不祥事について報告を受けたか?
  • 改善措置として何を行うか?


企業は不祥事が発生した後、株主を含め全てのステーク・ホルダーに対し包み隠さず明確にコミュニケーションを図ることが重要です。企業が積極的に投資家を対象としたグループミーティングにて説明を行うケースがありますが、当社との個別ミーティングでの発言と他の投資家を前にした時の発言を比較することが可能であり、非常に有効であると考えています。また、第三者が主導し、懸念事項について建設的な意見交換が可能であると考えられるイニシアティブである協働エンゲージメントを、エスカレーションのツールとして活用するケースもあります。

 

 

債券におけるエスカレーション

債券におけるエスカレーションは異なる手法があります。ESG債、伝統的な債券ともにアナリストは企業のパフォーマンスを常に注視しています。ESGに関連する事項についてアンダーパフォーマンスが見られる場合はいくつか手法が考えられます。

 

まずは既に公開されている情報に基づき理解を深めます。通常はこの後、企業の経営陣とティー・ロウ・プライスのポートフォリオ・マネジャーと責任投資アナリストが対話を行い、アンダーパフォームの理由と必要であればガイダンスについてヒアリングします。ミーティングの目的はアンダーパフォーマンスが一時的なものなのか、構造的なものか見極めることです。エンゲージメントと更なる公開情報に基づいた精査により、アンダーパフォーマンスがいずれは回復する可能性のあるものか、または構造的なものか判断します。もし、構造的であった場合は当該債券の売却を行います。

 

 

さらなるエスカレーション

一定の期間においてエンゲージメントを重ねることで、懸念点は解消されることがほとんです。しかし、まれに懸念事項を公開することに踏み切るケースもあります。取締役会の不適切な行動や放棄などにより株主が被った損失を回復するために、最終手段として法的手段を検討するケースもあります。ティー・ロウ・プライスでは過去、株主議案を提出したことはありませんが、株主の利益に資すると判断する場合は検討します。

 

 

エンゲージメント方針 及びアクティビスト活動に対する考え方 もご参照ください。

原則5
機関投資家は、議決権の行使と行使結果の公表について明確な方針を持つとともに、議決権行使の方針については、単に形式的な判断基準にとどまるのではなく、投資先企業の持続的成長に資するものとなるよう工夫すべきである。

 

ティー・ロウ・プライスの議決権行使プロセスは、コーポレートガバナンス及び個別企業の双方の観点を考慮し、リサーチ・アナリストとポートフォリオ・マネジャーが主体となり、当該企業の長期的な成長、そして株主もその成長を享受できるよう、思慮深く、投資の観点から行っています。最終的にはポートフォリオ・マネジャーが担当する運用戦略における投資先企業への議決権行使の決定権を有しています。

 

ポートフォリオ・マネジャーは議決権行使の判断の際に、以下のインプットを活用します。

  • ESGコミッティーの意見
  • セクター担当アナリストの意見
  • コーポレートガバナンス及び責任投資アナリストの意見
  • 議決権行使助言会社である、インスティテューショナル・シェアホルダー・サービシズ(ISS)の助言及びリサーチ

 

 

議決権行使助言会社の活用について

ティー・ロウ・プライスでは議決権行使に際し、第三者機関であるISSと契約しています。議決権行使ガイドラインに関してはISSの提案を参照にするものの、各市場のコーポレートガバナンス・コードにて奨励されている慣行やその他の市場の基準を考慮し、独自のガイドラインを策定しています。 当ガイドラインで採用されている基準は多くの市場で受け入れられているものであり、毎年議案の多くが定例の承認事項であることもあり、毎年90%は企業またはISSの推奨に沿った行使結果となっています。一方、助言会社より推奨されている基準が当社の期待を下回っているケース、また、推奨基準が高すぎるケースも一定の割合で散見され、これらは当社のガイドラインに反映しています。

 

 

 

助言会社であるISSと当社の基準が異なるケース

 

グローバル
年次総会:ティー・ロウ・プライスでは、バーチャルの年次総会は、過去の年次総会で少数株主の利益への配慮が見られなかった企業を除き、大抵賛成します。

 

地域別
取締役会議長とCEOの兼任:ISSでは欧州全般の企業に対し、議長とCEOを兼任している役員には反対を推奨していますが、当社では一般的な市場慣行となっているフランスへ適用する、というように市場毎に即したアプローチをとっています。

 

年次総会のシーズンになると、議決権行使プラットフォームにて以下のリサーチを受け取ります。

  • 基準リサーチ:ISSによる推奨とそれをサポートする分析(ISSの地域別ポリシーに即した推奨)
  • カスタム・ポリシー:当社の行使ガイドラインに基づく推奨と理由

 

以下に、議決権行使の4つのプロセスにて議決権行使にリサーチがどのように活用されているかを示します。

 

まず、ガバナンス・アナリストはISSの基準を通じ各市場毎に現状をレビューし、かつ、当社の独自のガイドラインが適用されているか確認します。別途リサーチが行われている市場である場合(現在はインドのみ。)は、そのリサーチもレビューします。さらに、当社の視点を反映させるべく、独自のデータも活用し行使ガイドラインを策定します。

 

次に、ガバナンス・アナリストが詳細な分析を行います。ここでは、企業の開示情報、実績、似たような議案における当社の過去の行使実績などを参考にします。サステナビリティに関する株主提案など重要な環境や社会課題に関する議案の場合、責任投資アナリストやセクター及び地域担当アナリストと協働します。

 

次に、ガバナンス・アナリストは企業担当アナリストに対し懸念を提示、必要であれば行使前に企業とのエンゲージメントを行い、ポートフォリオ・マネジャーとも共有します。当社が保有している企業の最終的な議決権行使の判断は、各運用戦略の担当ポートフォリオ・マネジャーが行います。ポートフォリオ・マネジャーが妥当と判断する場合にはガバナンス・アナリストの推奨とは異なる判断をすることもあります。同一の議案に対し同一の行使が行われることが望ましいものの、ポートフォリオ・マネジャー毎に異なる行使となる場合もあります。

 

ティー・ロウ・プライスにおいて議決権行使とは投資先企業において期待するような決断がなされるよう影響を与えることであり、顧客の利益のみに基づいて行うよう、ガバナンス・アナリストは全ての議案についてレビューを行っています。

 

 

議決権行使ガイドライン

当社の議決権行使は独自のガイドラインに基づいた判断からスタートします。この独自のガイドラインは、地域または国別の基準が考慮されており、インパクト投資戦略を除き、全ての株式運用戦略にて同様のガイドラインを適用しています。インパクト投資戦略ではより議決権とエンゲージメントを結合させるため、週次インパクト・リサーチ・ミーティングにて常にアディショナリティについての議論を行っており、ここでの議論を反映させ判断しています。

 

 

 

インパクト投資戦略

インパクト投資戦略では別途議決権行使ガイドラインを設定しています。これは、インパクト投資は運用目的が、優良な金銭的リターンと環境・社会にポジティブなインパクトをもたらす、という2つの運用目的を有するためです。これら2つの目的を達成するために、インパクト投資戦略では、社会的平等性を達成するという目的は報酬制度に影響するため、役員の選出にかかる議案や株主提案において他の株式運用戦略と異なる行使をするケースがあります。

 

 

インパクト投資戦略では、議決権行使は発行体との関係性の延長線上にあると考えています。議決権行使は企業とのエンゲージメント、投資対象としての調査、そして投資判断など企業に対する投資行動全般を補完するものです。インパクト投資戦略に特化したカスタマイズ・ガイドラインに基づいたガバナンスを適用することで、更なるスチュワードシップ活動を目指しています。

 

 

議決権の執行

独自のガイドラインに基づく行使推奨も、個別議案毎に精査され、妥当な理由がある場合はポートフォリオ・マネジャー、担当アナリスト、またはガバナンス・アナリストにより異なる行使指図を行う場合があります。ガイドラインと異なる行使指図がない場合には、全ての議案は当社独自のガイドラインに基づいて行使が行われます。行使の執行については全てISSに委託しています。

 

 

 

企業への行使判断の事前通知

ティー・ロウ・プライスにて大口保有をしている企業に対しては取締役会の提案に反対する場合、事前に当社の決定を当該企業に対して総会前に通知しています。これは、決定に際しほかに考慮すべき重要な情報がないか、企業に対し対話を促すことを目的としています。

 

 

事前に通知を行わないケースとしては、1)対象企業が当社からの働きかけに対し対応がない場合や対話を希望していない場合、2)対象企業がブローカーや議決権サービス会社など第三者を通じて機関投資家の動向を調査している場合、3)当該議案が定例の事項であり、当社の判断基準がガイドラインにて明示されている場合(例:取締役の出席比率基準など)が挙げられます。

 

 

投票の棄権について

一般的にティー・ロウ・プライスでは、数少ない例外を除いて議決権行使にて棄権という選択肢は取りません。例外には賛成・反対の判断に十分な情報が得られなかった場合、議案が総会前に撤回された場合などがあります。非常に少ない割合ですが、問題と思われる報酬制度や開示が不十分である場合など企業に対して注意喚起を促すために棄権するケースもあります。

 

 

 

議決権行使指図について

個別運用口座にて受託しているお客様は、議決権行使をお客様自身で行うことも可能としており、以下の3手法より選択いただけます。

 

  1. 議決権行使をお客様自身にて行う
  2. 議決権行使をティー・ロウ・プライスに委託
  3. 特定のケースのみお客様自身で行うが、その他についてはティー・ロウ・プライスへ委託

ティー・ロウ・プライスでは、お客様が投資理念を反映し、スチュワードシップ活動をサポートできるよう努力いたします。

 

議決権行使結果の開示

ティー・ロウ・プライスでは、全ての議案について行使結果をホームページにて開示しています。当開示は議案の結果、株主提案や反対票を投じた議案など重要な議案についてはその理由を含んでおり、企業別またはポートフォリオ別にて表示が可能となっています。当開示は6ヶ月毎に更新しています。

 

また、毎年秋にはその年のコーポレートガバナンスにおける傾向や議決権行使のサマリーをまとめたレポートを発行しており、ホームページに開示しています。その他、機関投資家のお客様には個別のご要望に応じてご報告しています。当社では同一戦略における口座間の保有はほぼ同一となっているため、同一戦略を選択することでお客様はご自身の投資ポートフォリオにおける全ての議案の行使結果へアクセスが可能となっています。

 

また、ティー・ロウ・プライス・ジャパン株式会社にて運用を行っている日本株式運用戦略における議決権行使結果および重要な議案についてはその理由について、議案毎に当社のウェブサイトにて毎年8月末に公表しています。(7月~翌年6月末までの期間。)開示の範囲や頻度および方法については、適宜見直し、変更を行っていきます。

 

詳細は議決権行使について をご参照ください。


原則6
機関投資家は、議決権の行使も含め、スチュワードシップ責任をどのように果たしているのかについて、原則として、顧客・受益者に対して定期的に報告を行うべきである。

 

ティー・ロウ・プライスでは長期的な投資ホライズンに基づくアクティブ運用を主に提供しています。お客様と長期的な関係を築くことはティー・ロウ・プライスにとって最優先事項であると考えています。当社では企業、年金基金、財団、販売会社やソブリン・ファンドなど、長期資産形成を目標としているお客様です。アクティブ・オーナーシップ、モニタリング、建設的な対話、といったスチュワードシップ活動を通じ、顧客の利益を第一に運用を行っており、当社のスチュワードシップ責任に対する考えやアプローチ、そしてどのような活動を行ったかをお客様へ報告することは非常に重要であると考えています。

 

 

ESGタスクフォース

ティー・ロウ・プライスの主要部門の代表者からなるESGタスクフォースは、スチュワードシップを含めるESGに関する顧客のニーズや規制など様々な観点より適切な報告形態及び内容を検討し、グローバルの顧客に対し展開する運用戦略の企画や報告書、社員の研修などを担っています。ESGに関する社内外のニーズは地域を問わずグローバルでより一層の高まりを見せており、グローバルで協働していくことが鍵であると考えています。現在、タスクフォースでは3つのワーキング・グループにて活動しています。

  • ESGコミュニケーション:ESGに関するマーケティング、コミュニケーション、社員研修を担当します。
  • ESGマーケット・インテリジェンス:主に各市場の営業担当者にて構成されており、各市場の主要なESGに関するトレンドや顧客のニーズを把握、当社の運用戦略開発や顧客むけコミュニケーション教科へと繋げる。
  • ESGクライアント・レポーティング:マーケット・インテリジェンスからのインプットに基づき、ESGに関するレポーティングの開発・強化。

 

タスクフォースは、各ワーキング・グループの代表の他、営業・プロダクト、オペレーション、運用などの各部門の代表者にて構成されるESGタスクフォース・ステアリング・コミッティーの戦略下にて活動を行っており、ティー・ロウ・プライスにおける全ての運用について監督責任を有する、経営陣を含む当社のシニアなメンバーで構成されるインベストメント・ステアリング・コミッティー(IMSC)の監督下にあります。ESGタスクフォース・ステアリング・コミッティーは営業部門の責任投資調査部門ディレクターとESGマーケティング・コミュニケーション責任者が共同議長を務めています。

 

現在は以下の方法及び内容にて顧客へ定期的に報告を行なっていますが、ESGタスクフォースは常に状況のモニタリング及びレビューを行なっています。

  • ESGアニュアル・レポート:ティー・ロウ・プライスによるスチュワードシップ活動とESGへの取組のまとめを年に1回発行、お客様へ配布しているほか、当社のHPでも入手いただけます。
  • 議決権行使アニュアル・レポート:ティー・ロウ・プライスにおけるグローバルの議決権行使結果データやトレンド、特定のトピックの分析。
  • ESGレポート:ポートフォリオにおける二酸化炭素排出量レポート、エンゲージメント・レポート、議決権行使結果サマリー・レポートを定期的にお客様へ配信しています。(現在は一部の戦略・口座にて対応しておりますが、順次拡大していく予定です。)
  • ウェブサイト:当社のウェブサイトにて議決権行使をはじめとするスチュワードシップ活動、ESGへの取組のほか、その時々のトピックについて当社の考え方に関するレポートを掲載しています。
  • 個別レポート・ミーティング:機関投資家のお客様には議決権行使、エンゲージメント例、スチュワードシップ活動およびESGへの取組につき、ご要望に応じてお知らせしています。
  • PLSAレポート(英国):戦略毎のPLSAフォーマットに基づく報告、四半期。
  • UKスチュワードシップ・レポート(英国):英国スチュワードシップ・コードに基づく年次報告。
  • 日本版スチュワードシップ・コード(日本):日本版スチュワードシップ・コードに基づく年次報告。
     
原則7
機関投資家は、投資先企業の持続的成長に資するよう、投資先企業やその事業環境等に関する深い理解のほか運用戦略に応じたサステナビリティの考慮に基づき、当該企業との対話やスチュワードシップ活動に伴う判断を適切に行うための実力を備えるべきである。

 

体制の整備と人材育成

ティー・ロウ・プライスは、「顧客の成功こそが我々の成功である」という信念に基づき、1937年にトーマス・ロウ・プライスJr.により設立されました。以後、「お客様の長期的な資産形成をお手伝いする」というミッションの下、自社のアナリストによるファンダメンタル分析に基づき、長期的な投資ホライズンにてアクティブ運用を主に提供して参りました。我々の責務は、アクティブ・オーナーシップ、モニタリング、建設的な対話、といったスチュワードシップ活動を通じ、顧客の利益を第一に考えることであり、アクティブ運用ではそれを担う運用スタッフの重要性が非常に高いと考えています。

 

 

ESG専門の運用リソース

ESGの重要性が高まっていく中、ESG専門の運用リソースに継続的に投資を行ってきました。2022年3月末時点では、責任投資とガバナンスの双方のチームにESG専門の運用スタッフを擁しています。ESGスペシャリストはポートフォリオ・マネジャー及びリサーチ・アナリストが、各発行体の投資パフォーマンスにおいて重要な影響があると思われるESGファクターの選別、分析、そして投資判断への統合をサポートします。ESGスペシャリストを議決権行使オペレーションやESGデータを運用に活用するための専門のテクノロジー・スタッフがサポートしています。また、上記に加え、インパクト投資戦略の運用開始に伴い、インパクト投資に特化した運用スタッフを配置しています。

 

 

  • 当社独自のESG専門の運用スタッフの強化
  • ESGに特化したインベスト・スペシャリスト・チームの配置
  • ESGインテグレーションに欠かせない、ESGデータ分析システムへの継続的な投資

 

 

第三者サービス・プロバイダーの活用

ティー・ロウ・プライスのESGへのアプローチは運用プロセスと統合されている、インテグレーション・スタイルを採用しています。当社のESGインテグレーションのフレームワークでは、ESGに関する定量データと独自のファンダメンタル・リサーチの双方を活用しています。ESGの定量データベースでは投資先発行体のESGに関するパフォーマンスを定量的に表すため、発行体同士の比較が可能となり、かつ多くの発行体を扱えるため、ポートフォリオとベンチマークの比較も可能となり、よりスケーラブルなプロセスが可能となります。ESGの定量データは外部の第三者を活用しており、当社の定性分析を強化するために活用しています。第三者のサービス・プロバイダーは、定期的にレビューを行い、最も優良であると思われるプロバイダーを採用しています。

 

 

  • RIIM:当社独自に開発したRIIMはサステイナティクス社を通じて企業が開示しているESGデータや情報を収集しています。その後、ティー・ロウ・プライスにてモデルのアウトプットをしています。その他のプロバイダーも含め、データの他、リサーチもモデルの参照にしています。
  • 除外リスト:MSCIのスクリーニングを活用
  • 議決権行使:ISSによる助言及びリサーチを活用

 

これらの第三者サービス・プロバイダーより提供を受ける情報は、当社の独自のファンダメンタル分析を行うための予備的なESGプロファイルを作成し、スクリーニングまたは分析に活用されています。

 

 

研修と人材教育

当社ではESGに関する認知度向上や教育を社員に対しグローバルで展開しています。特に、顧客リレーションを担当する営業部門のスタッフは日々変化する顧客ニーズを的確に把握するためにESGに関する知識の向上が当社のお客様への対応に重要であると考えています。

 

  • アナリストへの研修:新人アナリストは当社のガバナンスや責任投資へのアプローチなどの研修を受けます。
  • (運用部門における)フォーラム:ESGファクターを運用プロセスに統合するESGインテグレーションを様々な角度から運用部門全体で共有する定期的な機会を設けています。
  • ESGグローバルまたは地域別トレーニング:責任投資、ESGインベストメント・スペシャリスト、プロダクト、法務・コンプライアンスのスタッフによるESG関連規制や新規運用戦略、RIIM、インパクト投資、ESGレーティングや気候変動といった幅広いESG関連のトピックにてトレーニングをグローバルに展開しています。
  • (外部)トレーニング:グローバルの社員に向けて、フィッチ・ラーニングといった外部のESGトレーニングを採用。
  • CFA:社員のCFAやCertificate in ESG investingといった資格取得を支援。
  • 当社のESGにかかる取り組み:社員に対し当社のESGにかかる取り組みについてのトレーニング・プログラムを開始。

 

 

報酬制度とインセンティブ

ティー・ロウ・プライスは無債務かつ強固なバランスシートを有しており、この財務の安定基盤が、長期的な視点の下、顧客の利益を最優先すべく継続的な投資を可能としています。よって、当社の社員への報酬も長期視点に基づき、投資判断におけるスチュワードシップ活動やESGインテグレーションの実績に基づいています。

 

  • ESGスペシャリスト:責任投資及びガバナンスの分析を担っているESGスペシャリストは明確に設定された目標に対し評価し、報酬を決定しています。
  • 運用プロフェッショナル:リサーチ・アナリストは、投資アイデアの創出及び運用部門への共有、投資アイデアの精度、などの貢献度により評価されています。ポートフォリオ・マネジャーは、1、3、5、10年とより長い期間におけるパフォーマンス(絶対、ベンチマーク対比、リスク調整後)にて評価されます。長期間にてパフォーマンスが安定しているほど評価が高くなります。運用資産額の変動は評価においてあまり重要視していません。シニアなスタッフに対しては、報酬を現金と長期インセンティブプラン(5年間)とし、インセンティブを経営の目的と合致させています。

    また、ポートフォリオ・マネジャーとリサーチ・アナリストはESGファクターを投資判断に統合する責任を有しています。ESGインテグレーションについて全ての運用スタッフの定性評価に組み込まれています。定性評価では、調査部門責任者、責任投資調査部門のディレクター、及びコーポレートガバナンス責任者それぞれからのフィードバックが含まれており、ESGファクターを投資判断へどの程度統合できているかどうかも評価の一部となっています。
  • 営業部門:営業部門のスタッフもESGにかかる知識や知見が顧客へのより良いサービスに欠かせなくなってきました。よって、営業部門においてもESG担当者を配置しています。ESG担当者はESGタスクフォースのメンバーとなっており、より良いサービスの提供のため、それぞれの担当顧客のESGにかかるニーズを代弁、戦略の策定に関わります。こういったスタッフも目標にESGにかかる項目が設定されており、パフォーマンスが評価されています。
  • ダイバーシティ(DEI):ティー・ロウ・プライスでは協働と多様性を企業カルチャーの基本としています。市場にて見逃されるような投資機会を発掘し、顧客の長期的な資産形成を成功へと導くためには、協調性と多様性は欠かせません。社員の知識、知見、熱意、そして創造性が長期的に優良なパフォーマンスへとつながると考えており、常に最も優秀な人材を引きつけ、採用するため、ダイバーシティー&インクルージョン・プログラムに常に取り組んでいます。さらに、社員のパフォーマンスに対し公正公平に報酬が支払われたか第三者である独立コンサルタントによる検証を毎年行い、もしそうでないケースがあった場合は正すよう努力をしています。

 

 

方針を含む各原則の実施状況の見直し

ティー・ロウ・プライスでは、スチュワードシップ活動及びESGへの取組みにつき、定期的に方針、実施状況を見直しています。

 

 

  • 内部または外部監査:一般的なリスクマネジメントのアプローチである、担当部門による統制、法務・コンプライアンス部門によるモニタリング、内部監査部門による監査、をスチュワードシップ活動にも適用しています。
  • 第1ステップ:部門における統制
    各部門毎に策定されているプロセス及び統制に基づき業務が行われるよう、部門の責任者は監督しています。特定のプロセスについてモニタリングを担当するワーキンググループを設置し対応しているケースもあります。
  • 除外リストのアドバイザリー・グループ:除外リストの管理・適用のモニタリングを担当
  • 議決権行使サブ・コミッティー:ESGコミッティー内に設定されており、議決権の行使にかかるモニタリングを担当。
  • インパクト・オーバーサイト・グループ:インパクト投資戦略の運用開始に伴い、2021年に新設されたグループ。特定の企業を投資対象として妥当か可否の検討を行います。
  • 第2ステップ:エンタープライズ・リスク・グループ及び法務・コンプライアンス部門
    モニタリングやリスク管理ツールやフレームワーク、方針作成などを援助、リスクの軽減を図るほか、規制などへの準拠へのアドバイス及びガイダンスを提供します。
  • 第3ステップ:内部監査
    スチュワードシップ活動についても各担当部署における内部統制が機能し、リスクが適切にコントロールされているか確認を行います。スチュワードシップ活動のプロセスについて、独立した第三者機関による一般的な監査基準が未だ確立されていないことから、現時点では当社の監査部門による内部監査に留まっています。当社の内部統制監査は、リスク管理部門及び法務・コンプライアンス部門のサポートを受け、当社が適切であると考えるプロセスが設定・実施されており、リスクの軽減が図られているか確認するものです。外部監査については今後の動向を注視し、定期的に方針を見直していきます。

  • ESGコミッティー:当コミッティーはスチュワードシップ活動を含むESGインテグレーションにかかる全ての方針・プロセスを管理監督しています。例えば、除外リストについては除外リスト・アドバイザリー・グループ、といったように、特定の目的に適した人材をESGスペシャリスト・チーム、運用者、法務部などから選出、配置したワーキング・グループを設置し、方針・プロセスなどを具体的に定期的に見直しを行なっています。

 

  • ESGタスクフォース:責任投資調査ディレクターおよびESGマーケティング・コミュニケーション責任者が共同委員長を努めており、運用ステアリング・コミッティーの配下にあります。当タスクフォースは、社内外にてティー・ロウ・プライスのESGへの取組みに関する認知度向上のほか、顧客への報告方法・内容の戦略を担っており、コミッティー同様、顧客向け報告書ワーキング・グループといった特定の目的に沿ったワーキング・グループにて具体的な施策の見直しを行なっています。

 

 

スチュワードシップ活動報告

運用部、ESGマーケティング、コーポレートESG、プロダクト、インベストメント・スペシャリスト・グループや営業部門などの代表からなるスチュワードシップ・コード・ワーキンググループを設置しました。スチュワードシップ活動報告は、当ワーキンググループが作成する英国版スチュワードシップ・コード報告書を通じて行われています。当報告書の提出・開示プロセスは、ティー・ロウ・プライス・グループ取締役会、指名・コーポレートガバナンス委員会(メンバーは全員独立外部取締役)により、ESGコミッティーおよびマネジメント・コミッティーの承認を得て提出すること、となりました。当レポートは英国版スチュワードシップ・コードに基づき準拠を示すものですが、報告内要はティー・ロウ・プライス・グループ全体を対象としており、監査部門が報告書に使用されているデータ、出所、算出根拠などにつき検証後、英国Financial Reporting Council (FRC)へ提出しています。

 

 

日本版スチュワードシップ・コードにおける実施状況および自己評価は、英国版スチュワードシップ・コード・レポートより一部抜粋し、ウェブサイトにて開示を行っています。

 

 

また、ティー・ロウ・プライスは2010年に国連責任投資原則(UN PRI)に署名しており、年次で自己評価を提出・公表しており、PRIよりも評価を受けております。当社のスコアについてはウェブサイトや顧客向け報告書など適宜公表しております。

 

お問い合わせ先

ティー・ロウ・プライス・ジャパン株式会社

コンプライアンス部

Eメール:Tokyo_Compliance_Public@troweprice.com

〒100-6610 東京都千代田区丸の内1-9-2 グラントウキョウサウスタワー10F

電話番号 03-6758-3820(代表)

金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第3043号

一般社団法人 日本投資顧問業協会、一般社団法人 投資信託協会

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