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2020年7 月 / グローバル・アセット・アロケーションの視点と投資環境

グローバル ・アセット・アロケーションの視点と投資環境

1. 市場テーマ   2020年6月30日時点

二番底?

新型コロナウイルスの感染が欧州やアジア全域、そして米国の一部でほぼ封じ込められ、市場ではパンデミック(世界的大流行) は最悪期を脱したかもしれないとの安心感が漂っています。世界経済の再開に向けた動きが継続する中、多くの人が現在もV字回復を期待しており、購買担当者景気指数(PMI)など経済指標は大きく盛り返しています。大胆な金融・財政面のサポート、流動性状況の改善、インフレ沈静など経済活動の回復を後押しする環境が整ってきました。しかし、米国の一部では新型コロナウイルスが再び広がっており、景気の足かせとなる懸念も広がっています。感染の封じ込めに失敗し、再びロックダウン(都市封鎖) が実施されれば、すでに大きく落ち込んでいる景気に致命傷を与えかねません。感染第2波が起きる場合は、設備投資や個人消費がさらに冷え込み、回復の期待はV字からW字へと移行するでしょう。

回復傾向の原油価格

原油価格は4月末を底に引き続き回復し、1バレル40米ドルに迫っていますが、まだコロナ危機前の水準を下回っています。新型コロナウイルス対策で経済活動が突然ストップし、世界の石油需要は前年比で30%近く落ち込みました。同時に、市場シェアを巡るロシアと石油輸出国機構(OPEC)プラスの対立が深まり、供給増に伴い原油価格に一段と下押し圧力がかかりました。その後、外出制限が世界的に緩和され、供給が引き続き抑制されたため、原油価格は反発しました。しかし、感染第2波が起きて原油高に終止符が打たれると、エネルギー・セクターの早期回復期待はしぼみかねません。実際、すでにエネルギー企業の破綻が増えており、エネルギー輸出国の財政事情は著しく悪化しています。

米ドル安が下支え?

世界経済の改善を示すデータと、新型コロナウイルス感染再拡大への懸念の綱引きとなり、安全な逃避先である米ドルも最近は不安定な動きが続いています。経済活動再開に伴い世界的にリスクオンの流れが強まる中、米ドル・インデックスは過去3ヶ月で3%弱下落しました。しかし、最近の米ドル安傾向を反転させる可能性があるリスク要因には事欠きません。感染第2波の兆候が強まっていること、米大統領選を巡る不透明感、米中対立の再燃などは投資家が再び米ドルに殺到するきっかけとなる可能性があります。しかし、今のところ米ドル安はパンデミックに苦しむ新興国にとって一息つける材料で、新興国通貨はこのところ堅調に推移しています。

 

 

2. 各国・地域の経済環境

 ポジティブネガティブ
米国
  • 金融・財政政策による未曾有の緊急経済対策
  • 危機前は家計のバランスシートは健全
  • 医療インフラは大半の国よりも強固
  • 長期的優位性を有する企業( クラウド・コンピューティング、ネット通販など) の割合が他の国より多い
  • 米国は国土が広く、移動も自由なため、新型コロナウイルスの感染が続く可能性が比較的高い
  • 政治的緊張の高まり
  • 危機前から企業債務は高水準
  • 危機前から企業の利益率に下押し圧力
  • 高水準の政府債務
欧州
  • ウイルス感染の抑制や経済再開戦略は概ね成功
  • 待望の財政刺激策がようやく登場
  • 金融政策が引き続き非常に緩和的
  • 欧州株のバリュエーションは割安
  • 危機前から景気の足取りが弱かった
  • 欧州中央銀行(ECB)の景気刺激余地は限られる
  • 趨勢的に優位な企業の割合が低い
  • 危機前から銀行セクターは厳しい状況が続いていた
中国
  • 発表頻度の高い指標は経済活動が危機前の水準に戻ったことを示唆しており、公式統計も上振れしている
  • 政策対応は引き続き照準を絞ったもので、規模も抑え気味。今年の経済目標は成長と投資から雇用と暮らしに代わった
  • 消費者向け国産ブランドや支配的なテクノロジー企業など、国内を志向した株式が人気を集めている
  • 様々な方面での地政学的緊張の高まりが中国への投資に対する外国人のセンチメントを圧迫する可能性がある
  • 輸出の先行指標は弱く、雇用面の不透明感やデフレ圧力をもたらしている
  • 政策に関するシグナルはまちまちで、待望の預金準備率引き下げがいつ実施されるか明確な兆候は見られない
日本
  • 過去最大規模の経済対策と日本銀行の極端な緩和スタンスが景気回復へのしっかりした足場を提供
  • コロナ対策が解除され、経済の再開が進むにつれ、経済指標もようやく落ち込んだ水準から回復の兆しを見せるだろう
  • 日本株は比較的割安で、企業は潤沢な手元資金を保有しているため、世界経済の回復について選択肢が多い
  • 雇用データは幅広く悪化しており、個人消費の回復に逆風
  • 日本株は3月の底入れ以来、海外からの資金流入を背景にすでに他の先進国市場をアウトパフォームしている
  • 急激なリスク回避となった場合には円高が進み、日本企業の競争力や収益力が損なわれる可能性がある
オーストラリア
  • 政府とオーストラリア準備銀行(RBA)が政策対応を迅速かつ積極的に実施
  • 貯蓄率が高く、繰越需要も溜まっているため、個人消費は上振れの可能性があり、特に消費者は危機から立ち直り、前向きな姿勢を強めているため、その可能性が高い
  • 経済活動の再開に伴い、経済指標は記録的な低水準から回復してきた
  • 新型コロナウイルスの封じ込めに苦労しており、地域的なロックダウンやソーシャル・ディスタンス策が予想より長期化する可能性も
  • 一部の景気刺激策は9 月に終了する予定であり、延長されない場合は景気の下振れリスクがある
  • 現在の株価水準では、収益回復期待は行き過ぎの感があり、株式市場は失望売りで反落する可能性がある
新興国
  • 国民の年齢が若いため、新型ウイルスの影響に軽減期待
  • 米連邦準備制度理事会(FRB)の緩和で新興国の中銀は利下げに動きやすくなった
  • 米ドル高圧力が弱まる
  • 中国からの需要は総じて回復している
  • 株式のバリュエーションは先進国より魅力的
  • 多くの地域で医療体制が脆弱
  • 中国以外の新興国は財政刺激策を行う能力が限られる
  • 貿易摩擦の再燃
  • 世界の鉱工業生産や貿易の動向に非常に敏感
  • コモディティ価格に引き続き下押し圧力

 

3. アセット・アロケーション・コミッティのポジショニング

 

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