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2020年2 月 / ポリシー・インサイト

リフレのテーマは2020年も継続するか

債券市場の今年の動向を占う

サマリー

  • 実績値のデータは低迷が続いており、景気回復の足取りは依然としておぼつかない。
  • クレジット市場のパフォーマンス格差は今後も高止まりが見込まれる。
  • 新興国の環境は依然として概ね良好だが、ヘッドライン・リスクの可能性は残る。

 

2020年の債券市場はどのような展開を見せるでしょうか。市場コンセンサスが正しいとすると、今年もリフレのテーマが継続する可能性があります。グローバル債券運用チームは直近会合において、主にこの点について議論し、マクロ環境について深く掘り下げると共に、状況がリスク資産にとって今年もプラスに働くか、あるいは投資家はより慎重なスタンスを取るべきか検討しました。

 

まだ景気回復を鵜呑みにしてはいけない

米連邦準備制度理事会(FRB)を含む複数の中央銀行は、経済状況が安定したことを認識しています。

経済の安定化を受け、株式やクレジットといったリスク資産は上昇する一方で、コア債券のパフォーマンスは低迷しました。

「市場には成長見通しに関する楽観論が広まっており、その多くが市場に既に織り込まれています」と、ポートフォリオ・マネジャー兼グローバル債券統括責任者のArif Husainは述べています。ただし、これに付け加えて、「世界経済が現在足場を固めつつあるのは確かですが、全ての指標が回復を示唆しているわけではなく、実績値のデータについては依然として軟調です」とも語りました。

投資チームは、最悪の時期は過ぎた模様だが、回復は依然として一時的であると述べています。例えば、ユーロ圏では、成長率は依然としてほとんどの国で低迷している状態です。「欧州のPMIの再上昇が確認できれば欧州経済は安泰とみなされるかもしれませんが、今のところは穏やかな改善しか見られません。何らかの行動を起こすには時期尚早であるといえます。」とHusainは語っています。

地政学的な環境も、リスク要因となっています。過去数ヵ月間で環境は改善し投資家のリスク選好を下支えしていますが、状況は急激に変化する可能性があります。 「2020年には多くのイベントがあり、これが地政学的な動揺を引き起こし、反対方向に振れる可能性があります」とHusainは述べています。Husainは、最近の中東での緊張の高まり、英国の欧州連合からの離脱、米国の大統領選挙、そして継続中の米国の対中国だけでなく可能性として対欧州の関税交渉も挙げています。

 

クレジット市場では、もう一段のパフォーマンス格差拡大の可能性

クレジット市場に目を向けてみると、最近はいくつかの強弱入り交じった兆候が見られます。例えば、社債は昨年後半は好調なパフォーマンスとなりましたが、米国の投資適格企業の短期保険のコストは上昇し始めています。

さらに、ハイイールド債のスプレッドは全体としては低下していますが、その一方でエネルギー企業やよりリスクの高いC格付の市場セグメントでは、非エネルギー企業やBBやBに分類される格付が高い債券のスプレッド程スプレッドは低下していません。「ハイイールド債のパフォーマンスの二極化トレンドは、2020年も続く可能性があります」とHusainは述べています。また「投資家は、この景気サイクル終盤では、リスクの取り方についてより選別姿勢を強める傾向があります」とも語りました。

 

CCC格のハイイールド債は警告を発しているか

 

新興市場では、環境は概ねプラスですが、現地通貨建てやドル建ての債券どちらも今年直面する可能性がある、この地域特有の問題が数多く存在します。Husainは、「この地域には多くの不透明な要因が存在し、これが2020年に重大なヘッドライン・リスクとなる可能性があります」と述べています。

フロンティア市場内では、流動性がしばしば逼迫する場合があり、リスクイベントが発生した場合、急激かつ大規模な価格崩壊に繋がるため、状況はさらに深刻です。昨年見られた最も極端な例がレバノンで、政府に対する抗議活動が、レバノン国債の大規模な売りを引き起こしました。「スリランカ、ザンビア、エクアドルといった国では、2020年は同じような負のスパイラルを回避することが重要となるでしょう」とHusainは語っています。
 

リスク相場の継続には堅調な経済成長が必要

リスク資産の上昇が続くためには、リフレ・シナリオから堅調な成長シナリオに転換する必要があります。しかし、この転換が実現するためには、克服しなければならない多くの障害があるのは明らかです。こういった背景の中、現在のような景気サイクルの終盤でポートフォリオのリスクを引き上げる場合には、投資家は注意深いアプローチを採る必要があります。「年間を通じて様々な機会に応じてリスクを増減させる能力が、2020年を債券投資における成功の年にするか否かの鍵となるでしょう」、とHusainは述べています。

 

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