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2020年1 月31日 / グローバル・アセット・アロケーションの視点と投資環境

グローバル・アセット・アロケーションの視点と投資環境

 

1. 市場テーマ  2019年12月31日時点

「米国以外のグローバル株式」は着目に値?

米国の株式市場は2019年は堅調に推移し、S&P500およびMSCIオールカントリー・ワールド(除く米国)指数(米ドル建て)で見て、米国以外の市場の騰落率21%に対して米国株式は31%を超える上昇となりました。米国市場は過去10年間に他の市場を200%近く上回る上昇を見せました。米国以外のグローバル株式市場は、欧州の債務危機、欧州での2度の景気後退、英国の欧州連合からの離脱(ブレクジット)を含む一連の政治的な不透明感、そして最近では貿易戦争の影響といった要因に悩まされた10年でした。2020年に入って、米国以外の市場は、貿易問題における緊張の緩和と世界的な経済成長の安定から恩恵を受けており、相対的に景気循環の影響を受けやすいこれらの市場にとっては、このトレンドが追い風となる可能性があります。貿易摩擦、経済成長見通しの改善、依然として魅力的な相対バリュエーション、そしてとりわけ新興国市場の通貨安を考えると、現状は米国(市場)例外論の終焉の始まり、または単なる一時的な事象と捉えるべきでしょうか?

リセッション懸念からの脱却

米国債のイールドカーブは、貿易面での懸念が薄らぐ中で経済成長見通しに対する投資家の信頼感が引き続き高まったことから、2018年10月以来最もスティープ化した状態となりました。また、投資家が資金を利回りの低い資産からリスクの高い資産に移動させ始めたことから、イールドカーブは世界的に再度スティープ化の兆しを見せています。イールドカーブのスティープ化は、米国で一般に景気後退の予兆である逆イールドを招いた8月の安全資産への資金逃避の動きの反転を示しています。市場コンセンサスは、景気サイクルのこの段階での本格的なリフレ取引を正当化するものではありませんが、金融等、金利上昇の恩恵を受けるセクター及びインフレ連動債に対する投資家の選好姿勢が強まっています。センチメントや成長率のさらなる改善期待を背景に、インフレ率と金利予想の再評価が継続する可能性があります。ただし、未解決の貿易問題、中東での緊張、そして来たるべき米国の大統領選挙など、2020年に入ってもグローバルでのリスクは事欠きません。

企業収益に対する期待感

変動性が高い状況で2018年の年末を迎えた後、米国株式は2019年を通じて概ね上昇基調で推移し、S&P500は31%超の上昇とほぼ史上最高の水準で2019年末を迎えました。2018年の4%の下落を補って余りある好調なパフォーマンスの結果、過去2年間の年率換算リターンは12%超となりました。2019年は全体を通じて収益はほとんど増加しなかったにもかかわらず、貿易交渉の進展とFRBによる「サイクル半ばでの調整」の成功が支援材料となりました。バリュエーションは2018年の最高水準近くまで回復していることから、企業収益の改善が見られない限り、現在のモメンタムを維持するのは困難です。現在、2020年の収益見通しは10%近辺です。投資家の多くは楽観的な業績見通しに基づく投資には及び腰ですが、経済データのさらなる改善と貿易面でのリスクの緩和が企業や消費者の支出に繋がり、現在の2020年の収益成長率予想である10%が非現実的でなくなる可能性があります。
 

 

 

2. 各国・地域の経済環境



 ポジティブネガティブ
米国米連邦準備理事会(FRB) の金利据え置きと低インフレ
景気は安定の見込み
健全な個人消費、好調な雇用、賃金の改善
金利低下が住宅市場の緩やかな回復を牽引
貿易戦争激化の一服
長期的優位性を有する企業(クラウド・コンピューティング、ネット通販など)の割合が他の国より多い
 
政治的不透明感
成長率の上振れ余地は限定的
目先の収益期待が低下
設備投資の鈍化と景況感の悪化
景気サイクル終盤の懸念: 労働需給の逼迫、賃金の上昇、企業利益率への下押し圧力
高水準の企業および政府債務
 
欧州金融政策が引き続き非常に緩和的
サービス業はなお底堅い
配当利回りが依然として高い
政治的不透明感が弱まる
中国の経済刺激策から間接的なメリット
 
経済成長には逆風、特に製造業は低迷
欧州中央銀行(ECB) の景気刺激余地は限られる
輸出は弱く、貿易問題や中国経済の行方に左右される
銀行セクターは脆弱な状況が続いている
 
中国経済データは世界的な景気回復と米国との貿易交渉の第一段階合意の中、回復の兆し
年次中央経済工作会議において政策当局はレバレッジ解消と過剰生産能力問題を重視しない一方で、さらなるインフラ支出と住宅市場の支援を決定
株式市場のバリュエーションとポジションは、依然としてさらなる上昇を下支え
人民元は短期的には依然として狭いレンジでの動きとなる見込みで、これが市場センチメントを支える可能性
 
マクロ政策が目指すのは、成長の減速軌道を止めることであって、景気回復ではない。焦点となるのは質の高い成長で、そのため追加の景気刺激策に対する過度な期待は禁物
消費者支出は、食料品インフレが大幅に上昇する中、予想より軟調。自動車販売データや住宅価格が今後のトレンドを示す可能性
民間企業の債務不履行と新規株式公開の不調が市場センチメントを悪化させている
 
日本世界的な景気回復の中、経済データは消費税引き上げや大型台風による混乱の後、改善の見込み
12月に発表された大規模補正予算による2020年の経済成長への貢献が見込まれるとともに、日銀からの財政出動への要望に応える格好となった。
日本株はバリュエーションの観点から依然として魅力的。収益モメンタムはようやく改善しつつある
 
売上高と収益の伸びは、他の先進国と比べると低い
消費者信頼感と企業景況感は依然として弱い
日銀の次の動きに関する期待が180度転換したことが利回りを押し上げ、円高に繋がる可能性
 
オーストラリア住宅およびコモディティ価格の回復を背景に、景気は改善する見通し
企業の景況感は改善しつつあり、設備投資増の見通しが高まる
豪ドルは緩やかに上昇し、現地資産に対する投資家のセンチメントを後押しする可能性
バリュエーションが割高な中、配当と収益の伸びが、2020年におけるオーストラリア株のリターンの主な源泉となる可能性
 
オーストラリア準備銀行に対する過度に楽観的な期待は既に価格に織り込まれている点に留意
住宅市場の反発は、消費者のレバレッジの高さや労働市場に対する懸念から、まだ消費者支出には影響が及んでいない
企業利益は軟調で、企業は先行き不透明感が払しょくされない限り支出に踏み切らない可能性
 
新興国インフレが沈静(ただし上昇)、FRBのスタンスは中央銀行に利下げ余地を与える
貿易面での緊張が緩和
株式のバリュエーションは先進国より魅力的
テクノロジー・セクターの重要性が高まり、コモディティ・サイクルの影響を受けにくくなった
 
主要新興国の不安定な状況がセンチメントを圧迫
中国経済の長期成長軌道には依然逆風が吹いている
中国の景気対策はより慎重なもので、国内に重点
コモディティ価格には引き続き下押し圧力がかかっている
 

 

 

3. アセット・アロケーション・コミッティのポジショニング

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