2019年12 月 / ポリシー・インサイト

リフレ・シナリオにおいて考慮すべき3つのクレジット投資アイデア

バンクローン、不人気社債、外貨建て新興国債券に投資妙味

サマリー

  • 経済指標の安定は債券セクター内で非常に魅力的ないくつかの投資機会をもたらしそうだ。
  • 変動金利バンクローン市場は、クレジット商品への投資において最も興味深い分野である。
  • 社債の特定セクターで投資機会が生まれる可能性が高いほか、外貨建て新興国債券も好パフォーマンスが期待できる。

最近の経済指標は米国やアジアでは良好で、欧州でもある程度明るさが見られ、経済状況が安定し始めた兆しである可能性があります。しかし、これが単に減速の一服なのか、それともサイクル終盤の持ち直しの始まりなのか判断するには時期尚早です。グローバル債券運用チームは直近会合で、経済指標の改善が債券市場に及ぼす潜在的な影響について議論しました。特に、「リフレ・トレード」が現実味を帯びる場合、クレジット市場のどの部分が最も大きな恩恵を受けるかに焦点を当てました。ポートフォリオ・マネジャー兼グローバル債券運用チーム・メンバーのSaurabh Sud が今回、リフレ・シナリオ下で考慮すべき3つのクレジット投資を取り上げました。

 

1. 変動金利バンクローンは再び魅力的

市場が米連邦準備理事会 (FRB) の追加利下げを織り込む過程で、バンクローンは大量の資金流出に見舞われ、ハイイールド債を過去9ヶ月アンダーパフォームしてきました。ネガティブな報道もバンクローンには逆風となり、特に、格下げペースが最近加速していること、 CLO (ローン担保証券) によるバンクローン需要への影響が懸念されました。経済環境の改善を受け、伝統的なハイイールド債よりバリュエーションが魅力的なバンクローンは一息つけるでしょう。FRBの利下げ停止が見込まれ、キャッシュ関連商品への関心が高い時、バンクローンの需要が高まる可能性があります。全体的に見て、現在は変動金利バンクローンに再び投資する良いタイミングと思われます。
 

しかし、バンクローン市場のすべての部分が魅力的なわけではありません。例えば、2017–2019年発行のB格銘柄はデフォルト・リスクが高く、バンクローン市場の他の部分が好調でもスプレッドが拡大する可能性があります。需給要因の影響が非常に大きいこの資産クラスでは銘柄選択が引き続き鍵を握ります。リサーチ・チームは、資産カバレッジが高く、今後2、3年における企業の一部返済または借り換え能力の見通しが明確なディスカウント・ローンに注目しています。

 

2. 社債市場の不人気銘柄に一考の価値

投資適格社債の中では、エネルギー・セクターは原油価格の低迷が逆風となってきましたが、リフレ環境になればその恩恵を受けるでしょう。米景気の足取りが強まれば、パイプラインや採掘関連のエネルギー企業は投資妙味が出てくる可能性があります。最も興味深いのはおそらく格付けが比較的高いハイイールド債発行体だと思いますが、 ディストレスト債は引き続き避けるべきです。このセクターは持続不可能なビジネスモデルや資本構成が引き続き問題で、デフォルト率が高まると予想されています。また、現在は自動車セクターに注目すべき時期かもしれません。同セクターは需要低迷、バリュエーション調整、環境問題などから社債市場でも過去2年出遅れが目立ちます。特に、バリュエーション調整が行き過ぎた感のある短期債への配分を検討すべき時期かもしれません。Ford など一部企業を除けば、市場ではもはや格下げは予想されておらず、これらの企業は消費需要の回復に伴い見直されるでしょう。

 

3. 外貨建て新興国債券に投資妙味


また、景気の安定と地政学リスクの低下は、新興国の外貨建て債券発行企業にとって追い風となるかもしれず、特にアジア企業の社債が注目されます。世界経済の改善見通し、米中貿易摩擦の進展、ドル安はいずれもこれらの企業による米ドル建て借り入れを容易にし、債務返済能力の改善につながります。さらに、新興国企業の社債に配分している投資家は投資適格債市場の大部分を占める企業からインカムを得る機会があり、リフレ・シナリオが予想通り実現しない場合のプロテクションをある程度提供します。

このところ需要が高まり始めた外貨建てソブリン債についても同じことが言えます。しかし、外貨建て債券はデュレーションが長いのが特徴で、金利上昇の悪影響を受けやすいため、投資対象は短期債が好ましいと思います。
 

 

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