POLICY INSIGHTS

ポリシー・インサイト(2018年10月):短期債に再び投資妙味

アリフ・フセイン , グローバル債券統括責任者
アンドリュー・カール , ポートフォリオ・マネジャー

グローバル債券市場における過去1年 の圧倒的に重要なテーマは、イールド カーブのフラット化で、その最たる例が 米国です。グローバル債券運用チーム は今月の運用方針会議で、グローバル な投資機会を再検討し、短期債の急落 によって投資妙味が出てきた市場やセク ターについて議論しました。

 

先進国では中央銀行が金融引き締めに 動いている国もいくつかあるため、短期 債が売られるのも当然だと思います。そ の一方で、インフレが大きく上昇していな いことから長期債は底堅く推移し、この 結果、イールドカーブは総じてフラット化 しています。一部の国では、 こうした動き が行き過ぎているため、短期債を購入す る好機かもしれません。「現在の環境で は、短期債は見過ごせない。様々な市場 やセクターに投資機会が豊富にある」 と Saurabh Sud(ポートフォリオ・マネャー、 グローバル債券運用チーム・メンバー)  は指摘します。

 

特に、米国債市場は短期債の急落によ りバリュエーションが大変魅力的になり、 潜在的な投資機会が際立つ一方、ドル 建て短期社債にも投資妙味があります。 米国では、2年国債利回りとFFレートの 差が極端に開いており、運用チームは、 短期債にリスクを集中することにより FRBが徐々に金利を上げると予想される 環境下で信用リスクを取るディフェンシブ な方法になり得ると考えています。

「低金利環境のため、 短期社債への投資は 最近人気がないが、投 資家にとって多くのディ フェンシブ特性がある」
- Saurabh Sud

そう考える理由は3つあります。第1に、 今後数回の利上げはすでに市場に織り 込まれているため、ロールダウンの魅力 的な投資機会があります。第2に、短期 債利回りの上昇は、この分野はフラット 化の結果として割高感のある長期債よ りも金利全般の方向性の影響を受けに くいことを意味します。第3に、景気後退 はまだかなり先のことと思われるため、 デフォルト増加リスクは必ずしも価格に 織り込まれる必要はありません。 「低金 利環境のため、短期社債への投資は最 近人気がないが、 投資家にとって多く のディフェンシブ特性がある」(Sud)。

 

社債市場では、イールドカーブの形状か ら恩恵を受ける可能性のある伝統的な 投資適格社債だけの話にとどまらず、 短期債投資のメリットは他にもたくさんあ ります。例えば、ドル建てのアジア社債 は他の新興国債券よりディフェンシブ特 性が強いため、そのリスクプレミアムは 魅力的です。セクター・スペシャリストは 非適格モーゲージ・プール担保の高格 付け証券化商品や、再投資期間を2、3  年とする短期AAA格ローン担保証券(CLO)リファイナンス取引の魅力にも 注目しています。

 

運用チームはグローバル債券市場につい ても中央銀行による最近の行動の結果、 短期債に潜在的な投資機会が生まれ たかどうか検証しました。新興国では 通貨安や国内のインフレ圧力の高まり に対応して利上げをする国が相次いで います。中には、利上げサイクルのピークに近づいている国もあり、短期 債投資の好機となるかもしれません。「ルーマニアやメキシコなどは利上げ サイクルのピークに近く、これらは中期 的に利下げに転じる可能性の高い国 である」(Sud)。

 

今回の議論から明らかになったもう1つ のポイントは、キャピタルゲインの機会 が限定的で、ボラティリティが高まり始 める可能性のある現在の環境における ディフェンシブ・キャリー獲得の重要性 です。 「多くの資産価格が好材料をす べて織り込んだ現在、キャピタルゲイン を狙ってより多くのリスクを取るよりも、 キャリーやロールダウンの魅力的な機 会を追求すべき局面にある」(Sud)。

 

同じことがハイイールド債についても言 えます。短期ハイイールド債はキャリー の観点から引き続き魅力的ですが、 早 期償還の可能性があるためキャピタル ゲインは限定的かもしれません。ただ、 より重要なことに、運用チームは外貨建 て債券に個別の投資機会を見出してい ます。この分野ではボトムアップ・リサー チによりファンダメンタルズが健全な短 期の準ソブリン債がいくつか発掘されて おり、これらの銘柄は魅力的なインカム 特性を考えると現在際立っています。「キャリーの追求は、インカムだけの魅 力に着目するよりも、高いリスク調整後 リターンをもたらすアイデアを創出する ボトムアップ・リサーチの影響を大きく受 ける」(Sud)。

 

図表 1: 短期債の利回りは上昇傾向

2018年10月12日時点

 

出所: ブルームバーグ・バークレイズ米国アグリゲート3-5年債券インデックス(最低利回り)、FRB  分析はティー・ロウ・プライス。

「ルーマニアやメキシコなどは利上げサイク ルのピークに近く、これらは中期的に利下げ に転じる可能性の高い国である」
- Saurabh Sud

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