テクノロジーの黄金期はこれからが本番

ティー・ロウ・プライス

サマリー

  • テクノロジー分野では巨大企業や機敏な新興企業がインターネットの驚異的なパワーに牽引され、企業価値を空前のレベルまで高めており、技術革新の黄金期はまだ始まったばかりだと思います。
  •  e コマース(電子商取引)、オンライン広告、クラウド・コンピューティングは野球で言えばまだ早いイニングにあり、人工知能(AI)や自動運転車などの新たな多くのトレンドには非常に大きな成長ポテンシャルがあります。
  •  テクノロジー分野のトップ企業は多くの業界を破壊する巨大なパワー持っているため、投資家はその戦略について状況を常に把握しておく必要があります。
  •  テクノロジー企業の業績は今後も健全な伸びが見込まれますが、一部の分野ではバリュエーションの高さが懸念されるようになっています。

当運用の投資アプローチ

私がポートフォリオ・マネジャーを務めるサイエンス&テクノロジー株式運用戦略では、イノベーションと主要トレンドや、それらが業界や企業にどのような影響を及ぼしているかに注目しています。そして、持続成長が期待できる企業を安く買える努力をします。テクノロジー・セクターは非常にダイナミックであり、株価も激しく変動するので、魅力的な投資機会が頻繁に生まれます。我々は特に、中長期的なキャッシュフロー創出見通しが株価に比べて非常に魅力的な企業に投資することを重視しています。

 

それには業界、セクター、企業を満遍なくカバーする優秀なアナリストが必要で、その点、当社グローバル・テクノロジー・チームのリサーチ力と見識が大いに役に立っています。我々はイノベーションの評価や企業リサーチにおいて深い経験を有しています。企業をミクロ的観点から評価するだけでなく、企業の事業環境を取り巻くトレンドをマクロ的観点からも評価し、我々は互いに学び合います。それが主な競争優位であると考えています。

 

企業のことを本当によく知るため、我々はその顧客、パートナー、経営陣、他の業界関係者から話を聞きます。CEOと特定のトレンドについて話をする場合、我々が知りたいのは、その会社が当該トレンドの恩恵を受ける好位置につけることができるか、資産を効果的に活用しているか、進化・適応に十分な先見性があるかなどです。また、競争激化に対する脆弱性や、経済・技術的なサプライチェーン・サイクルなど、保有する株式のリスク要因を慎重に吟味します。

 

当運用の強みは、多くの投資家よりも長期的な視点に立てることです。大きな投資機会が生まれるのは往々にして、持続可能なビジネスを展開する、中長期のポテンシャルが大きい企業について投資家が短期的な悪材料に過剰反応する時です。実際、当運用でも私がポートフォリオ・マネジャーを務める9年間だけでもAmazon やGoogle(Alphabet)に関してそうしたことが数え切れないくらいありました。

 

図表 1: テクノロジー株がグローバル株式市場をパフォーマンスを牽引

2008年12月31=100として指数化、 2008年12月31日~2018年3月31日

 

 

過去の実績は将来のパフォーマンスを保証するものではありません。

出所: ファクトセット・リサーチ・システムズ

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最近のイノベーションの波を牽引 しているのは何か?

現在は多くの点でイノベーションの「黄金期」であると言えます。わずか数年前とは状況が劇的に変化し、テクノロジー製品・サービスは今や人々の日常生活や仕事の中心となり、あらゆる業界の成否を大きく左右する要素です。スマートフォン(スマホ)はユビキタス(誰もがいつでもどこでも情報ネットワークにアクセスできる環境)に欠かせない存在となり、膨大な量のコンピューティング能力、オンライン・サービス、アプリケーション、そして購入するモノへの継続的なアクセスを提供しています。企業は社員の生産性、協働、遠隔勤務、ビジネスの知見、顧客サービスを改善するためにテクノロジーの使用を拡大しています。 さらに、AI やマシン・ラーニング(機械学習)が普及するにつれ、イノベーションの速度はさらに加速するでしょう。

 

このようなパワフルなトレンドが時代を動かし、米国のApple、Google、Microsoft、Facebook、Amazon(IT ビッグ5)や、中国のTencent、Alibaba などテクノロジー分野の巨大企業に空前の繁栄をもたらしています。中国のネット2強は国内では北米における米国ビッグ5に匹敵する圧倒的な存在です。これらの巨人企業は「可能なこと」の限界を押し広げています。これらの企業はインターネットの驚異的なパワーに牽引され、世界の株式市場の時価総額上位7社を独占しています。

 

これらのグループによる研究開発投資や設備投資が過去10年で爆発的に伸びており、かつてないほど巨額の資金とリソースがイノベーションに注ぎ込まれています。その成果が表れて、これらの企業は売り上げが最近増えており、今後数年でその 中核市場でのシェア拡大またはイノベーションや事業拡大の継続により、何千億ドルもの利益を生み出す可能性があります。

 

図表 2: 米国の IT ビッグ5は業績を驚異的に伸ばしている

2018年6月時点

売上高(10億米ドル)

 

出所: ファクトセット・リサーチ・システムズのデータを使ってティー・ロウ・プライスが算出。

本資料は説明のみが目的で、投資の助言や、特定の投資行動を取ることの推奨を意図したものではありません。これらの証券が過去に利益をもたらしたか、将来的にもたらすと想定すべきではありません。

 

圧倒的な存在感が投資家にとって意味すること

テクノロジー株や他の業界の投資家は、これら巨大 IT 企業7社の行動に大いに注目する必要があります。この中の数社は今後数年で顧客と投資家の両方に大変膨大な付加価値を創出すると思われます。テクノロジー分野の巨大企業は潜在的な創造的破壊力も非常に大きく、特に Amazon と Google の力は群を抜いています。彼らの野望や能力は近代のビジネス界では例を見ない壮大なスケールです。これらの企業は今後10年で、テクノロジーとほとんど無縁の比較的動きが鈍い業界を全く様変わりさせる可能性があります。

 

これら巨大 IT企業の中でも株価パフォーマンスに大きな差が生じる可能性が高いため、最高のポジションにある企業を選ぶことが極めて大切です。当運用では最近、Google、Alibaba、Facebookを選好しており、これらはいずれも株価が下落し、ここ数ヶ月に買い場が訪れました。また、これら巨大企業が何でもできるわけでなく、 しようともしていないため、他の大手テクノロジー企業や新興企業にもまだ大きなチャンスが残されている点にも留意する必要があります。

 

 

図表 3: テクノロジー企業の収益はグローバル市場全体を大きく上回る

2018年6月30日時点。直近12ヶ月のEPSに基づく。2009年1月1日=100として指数化。

 

出所: ワールドスコープ、データストリーム、ゴールドマン・サックス

 

当運用が注目する主要テーマ

我々はインターネット関連企業の中でも、革新的で持続成長が期待できるトップ企業を引き続き重視しており、こうした銘柄がポートフォリオの約3分の1を占めています。大まかに言って、インターネットはまだ発展中のビジネス機会です。 e コマースは世界の小売業全体の15%未満に過ぎず、オンライン広告のシェアは世界の広告・マーケティング市場の25%未満です。Amazon、Facebook、Google などのトップ企業は事業拡大や王座死守のため積極投資をしています。これら巨大企業でさえ、時代の変わり目に多くのテクノロジー分野のトップ企業を襲った創造的破壊を回避しようとしているのです。これらの企業は高収益を上げているため、そのバリュエーションは普通の会社より長期的なキャッシュフローを前提としています。米国以外の市場でも、e コマース、オンライン旅行会社、ソーシャル広告などで長期的に大きな成長が期待できる各地域のトップ企業に投資機会があると見ています。

 

オンラインのトップ企業は多くの場合、苦労して勝ち取った強みや拡大する能力を小売物流や実店舗などオフラインの世界に適用しています。その際たる例がAlibaba とAmazon で、両社はテクノロジー分野の専門知識や膨大な貴重データをオフラインの世界で活用して、オンラインの顧客にも実店舗の良さを提供しています。私はこれをテクノロジー主導型小売りと考えており、それはこれらトップ企業のビジネスチャンスを大きく広げています。実物資産や実店舗へのこうした巨額投資は企業の利益率を大きく圧迫しますが、長期的にはるかに大きな利益やキャッシュフローをもたらす可能性があります。

 

クラウド・コンピューティングは、新しくないものの依然としてまだ非常に初期の段階にあるもう一つの大きなテーマです。他の 企業のITワークロードを保存・管理するデータセンターを持つ企業で構成されるパブリック・クラウドの普及率は市場の約5%に過ぎません。当運用ではAmazon Web  Services、Microsoft Azure、Alibaba  Cloud など有力クラウド・コンピューティング事業を傘下に持つ企業を多く組み入れており、クラウド事業はいずれも他社が太刀打ちできないほどのスケールです。これらの銘柄は企業にクラウド・テクノロジーを提供するだけでなく、多くの重要な IT 機能を引き続き担うオンプレミス・データセクターに革新的な新技術をもたらしています。

 

クラウド・コンピューティングのもう一つの大きなテーマはSaaS(ソフトウェア・アズ・ア・サービス)で、パブリック・クラウドの巨大企業がカバーしていない分野ではIntuit、Salesforce.com,、Workday などに大きな投資機会があると思います。自動運転車の長期的なポテンシャルにも魅力を感じています。例えば、Alphabet の自動運転部門 Waymo はこの分野のトップ企業です。 Tesla は電気自動車に加え、この分野でも大きなポテンシャルがあると見ています。

 

AIについて

AIの開発では、巨大な顧客ベースを持ち、データ管理・ソフトウェア能力が世界有数のインターネットやクラウド分野の巨人企業が先頭を走っています。これらの企業は多種多様なビジネスおよび消費向け製品・サービスのため、 AI やマシーン・ラーニングに何十億ドルもの巨額の資金を投じています。これらトップ企業は分析、音声認識、画像認識に使われる「go-to」プラットフォームや、自社製品の性能を向上させる他の主要 AI アプリケーションにおいてもしのぎを削っています。この結果、小さなスタートアップ企業でも「ハイパースケール」クラウド・ベンダーの能力を使える健全な競争環境が生まれました。何よりもそれは今後数年のAI やマシーン・ラーニングの普及を牽引すると思います。

 

 

データ・プライバシーへの懸念が高まり、規制はIT 業界の成長ポテンシャルにとってより大きなリスクとなるのか?

規制や監視行動は巨大 IT 企業の多くにとってリスクをもたらします。これは彼らの競争力の強さや企業価値を反映している半面、将来のいずれかの時点でさらなる成長を難しくする可能性があります。個人的には、規制が業界トップ企業の希少性を低下させるリスクは比較的低く、これらの企業は顧客に対するバリュー、技術革新、人材を有するため、変化する規制環境を生き残ることができると考えています。

 

テクノロジー・セクターは好業績と利益率の拡大を背景に市場全体を大きくアウトパフォームしてきた。現在のファンダメンタルな見通しは?

消費者や企業によるテクノロジー製品・サービスへの支出は非常に高い伸びを示しています。しかし、ここから加速するのはおそらく難しく、景気に連動した動きが続いているため、景気の勢いが弱まると、この分野の支出も減少しそうです。また、地政学や世界貿易面のリスクが本来なら明るいテクノロジー企業の業績見通しに影を落とす可能性は確かにあります。しかし、イノベーションがテクノロジー製品・サービスの利用や価値をかつてないほど広げています。テクノロジー分野のトップ企業が伝統的にテクノロジー投資と縁のない小売りや広告などの経済分野において大きな市場シェアを獲得しています。こうした企業の多くにとってはパイが大きく拡大しており、これらの分野の普及率はまだ非常に低いため、トップ企業の数社や多くの新興企業は将来的に大きな成長が期待できます。

 

テクノロジー企業の業績が今後も好調に推移したとしても、バリュエーションの高さが目立つ分野がいくつかある状況では、株式市場全体が上昇できるほど好調が続くか分かりません。それでも、バリュエーションは銘柄によってかなり幅があるため、個別銘柄ベースではまだ魅力的な投資機会があります。しかし、成長ペースが最も早い企業はバリュエーションも比較的高いため、引き続き市場シェアを拡大し、ビジネスチャンスを広げることができる企業を発掘することが極めて重要です。それができない企業に投資すると、大きな損失を被る可能性があります。また、ビジネスが苦境にあるにもかかわらず、バリュエーションが一見低く見える企業への投資も、大きな損失になりかねません。

 

我々はイノベーションや変化する業界動向を正確に理解することが、将来的に人気のでる企業に投資し、リスクのある企業を回避する上で絶対不可欠だと考えています。

 

図表 4: ティー・ロウ・プライス・サイエンス & テクノロジー株式運用戦略代表口座の上位保有10銘柄

2018年5月31日時点(アルファベット順)

 

これらの保有銘柄は2018年5月31日時点のポートフォリオ時価総額の46.3%を占める。

代表口座は当戦略の現在の運用スタイルを最もよく表している口座です。当ポートフォリオの選定にあたっては、パフォーマンスは考慮されていません。 代表口座の特性は当戦略の他の口座のものと異なる可能性があります。当ポートフォリオおよびコンポジットに含まれる他のポートフォリオに関する情報はご要望に応じてご提供致します。

上記の銘柄は当戦略の顧客のために購入、売却、推奨された全銘柄を表しているものではなく、また上記の銘柄が過去に利益をもたらしたか、将来的にもたらすと想定すべきではありません。

 

201807-538673

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当資料は、ティー・ロウ・プライス・インターナショナル・リミテッドが情報提供等の目的で作成したものを、ティー・ロウ・プライスジャパン株式会社が翻訳したものであり、特定の運用商品を勧誘するものではありません。また、金融商品取引法に基づく開示書類ではありません。当資料における見解等は資料作成時点のものであり、将来事前の連絡なしに変更されることがあります。当資料はティー・ロウ・プライス・インターナショナル・リミテッドの書面 による同意のない限り他に転載することはできません。

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