MSCI インデックス組入決定で脚光を浴びる未開拓のサウジアラビア市場

オリバー・ベル , ポートフォリオ・マネジャー

サウジアラビアは今年6月、スタンドアローン市場分類からMSCI 新興国株式インデックスへの昇格が承認されました。実際に組み入れられるのは2019年半ばからで、サウジは同インデックスの2.6%を占める見通しです。

 

我々はMSCI 新興国株式インデックスにおけるサウジの構成比が今後3~5年で9~10%に高まると考えています。史上最大規模と予想される国営石油会社 Saudi Aramco の新規株式公開(IPO)によって同国の構成比は2倍も上昇し、それ以外にも今後3~5年で合計1,500億ドルのIPOが想定されるため、そのベンチマーク・ウェイトはさらに高まるでしょう。

 

海外投資家にとって手付かずの未開拓市場

新興国株式の代表的ベンチマークである同インデックスへ最近昇格した国の例を見ても分かるように、今回の決定は向こう数年にわたりサウジ株を支えると思われます。MSCI インデックスに組み入れられることで、国内投資家による保有がほぼ100%の同国株式市場は一躍、世界中の投資家の注目を集めることになるでしょう。

 

サウジ政府はMSCI 昇格を目指し、海外投資家が同国企業へ出資する際の煩雑な手続きを過去18ヶ月で改善しましたが、海外投資家のサウジ株保有比率はまだ3%1に過ぎません。つまり、これだけ巨大なポテンシャルを秘めた市場が海外投資家にとってほとんど手付かずの状態ということで、新興国の外国人持株比率が平均14.4%2であることを考えると、サウジ株式市場の潜在的な成長余地は非常に大きいと思われます。

 

我々はサウジ株について以前から強気ですが、その背景には原油依存からの脱却を目指す意欲的な改革プログラムがあります。次期国王と目されるムハンマド・ビン・サルマン皇太子(当時は副皇太子)は2016年4月に「ビジョン2030」と名付けた経済改革パッケージを掲げ、自ら先頭に立って野心的な改革に乗り出しました。

 

32歳の若き皇太子が率いる王国は、その巨大な経済ポテンシャルを開花させる上で欠かせない重要な一連の改革に全力で取り組んでおり、将来的に大きな発展が期待されています。サルマン皇太子が改革に乗り出す前のサウジ産業界は政府の補助金制度に過度に依存していました。

 

変革の波に乗る企業を発掘

我々は投資家としてサウジアラビアで現在起こっている変革の波に乗れる企業を非常に慎重に探してきました。その結果、銀行、消費関連、ヘルスケア・セクターを中心に多くの魅力的な投資機会を発掘することができました。

 

サウジの優良銀行は、バリュエーションが引き続き過去のレンジの下限近くにありますが、最近の原油高の影響が国内に浸透するにつれ、 融資の伸びが高まっており、景気改善の影響が業績に表れ始めています。

 

また、サウジの銀行は、米連邦準備理事会(FRB)による利上げサイクルの恩恵を直接受けます。通貨サウジ・リヤルを米ドルと固定するペック制を採用しているため、その金利は基本的に米金利に追随する仕組みで、これが銀行の純金利収入を押し上げます。英HSBCの子会社Saudi British Bankは現在、英RBS の子会社 Alawwal Bank との合併を進めており、成立すれば国内トップになる見通しです。合併によるシナジー効果に加え、経験豊かな経営陣、強固なバランスシート、高い自己資本利益率(ROE)が同行の強みで、銀行セクターの配当利回りもドル・ペッグ制のおかけで4-5%3と健全な水準にあります。

 

サウジ政府が国民に提供する医療水準の向上を図る必要性を認識しているため、我々はヘルスケア・セクターについても強気の見方をしています。サウジは病院ベッド数の不足が目立ち、政府は医療分野の支出を早急に増やす必要に迫られています。サウジは現在、1,000人当たりの病院ベッド数がわずか2.2 と、世界平均の2.5より少なく、欧州平均の6.3を大きく下回っています4。このため、同国のヘルスケア・セクターは将来的に成長が見込まれ、病院グループのAl Mouwasat Medical はその最先端にあると見ています。

 

1 HSBC、2018年3月31日時点

2 Tadawul Exchange、2017年12月31日時点

3 ティー・ロウ・プライスによる分析

4 モルガン・スタンレー・リサーチ、2016年7月

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