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グローバル株式と IT—
バブルはどこにあるのか?

ローレンス・テイラー , ポートフォリオ・スペシャリスト

Q. グローバル株式は株価収益率(PER)が過去2年でどのくらい高まりましたか?

A. グローバル株式は過去2年のリターンがもっぱら利益成長、つまり1株当たり利益(EPS)の伸びによるものだったため、PERベースのバリュエーションは高まっていません(図表1)。ただ、S&P 500 はPERが9%と緩やかに上昇しました。

図表 1: 利益成長がPER上昇を凌駕

リターン=PER変化+EPS変化、2016年5月–2018年5月、2018年5月31日時点

 

出所: ファクトセット・リサーチ

Q. Facebook のPERは過去2年でどのくらい高まりましたか?

A. Facebook のPERは上昇していません。実際、同社は利益が株価の上昇を上回るペースで増えたため、PERは逆に約50%低下しました(図表2)。これはユニークかつ収益化可能な商品やサービスを提供する多くの大手テクノロジー企業に共通する特徴です。

 

これは米国に限った現象ではありません。中国ネット通販最大手のAlibabaは株価が1年で約70%上昇しましたが1 、利益も同程度伸びたため、バリュエーションは2019年予想EPSの31倍(2020年予想EPSの21倍)とほぼ変わりませんでした。利益が毎年およそ30%のペースで増える企業にとってこれは問題ではありませんが、それ自体、バリュエーションを低く抑えたり、「高バリュエーション=バブル」という懸念が台頭した時にバリュエーションを低下させる「利益成長のパワー」を物語っています。

図表 2: 大半のテクノロジー大手は意外にもPERが低下

リターン=PER変化+EPS変化、2016年5月–2018年5月、2018年5月31日時点

 

出所: ファクトセット・リサーチ

バブル vs. 変革

Facebook などの情報技術(IT)企業の高株価とバブルの違いはここにあります。ITバブルのピークだった2000年のように高株価を支えているのが思惑や期待だとしたら、「バブルが形成されつつあるかもしれない」という弱気の意見に反論するのは難しくなります。しかし、高株価を支えているのが収益改善やキャッシュフローの伸びであれば、高株価がバブルと本質的にポジティブな変化のどちらを示唆するのか見極めるため、バリュエーション、ファンダメンタルズ、収益の持続可能性などを多角的に分析する必要があります。

 

グローバル株式のバリュエーションに関するティー・ロウ・プライスの見解

ティー・ロウ・プライスではグローバル株式について引き続き、ファンダメンタルズが優れた資産クラスはバリュエーションも絶対ベース、相対ベースとも若干プレミアムが付くと考えています。堅調な経済成長が続く環境では、こうしたプレミアムも当分維持されると思いますが、これはシラー・レシオやテール・リスクをよく引き合いに出す弱気派や弱気なセルサイド・ストラテジストがあまり話したがらない話題です。

 

テクノロジー株のバリュエーションに関するティー・ロウ・プライスの見解

当社は多くのテクノロジー株に関して「今回は本当に違う」と考えています。バリュエーションや収益面のリスクにおいて、テクノロジー株の現在の強さがITバブルのピークだった2000年頃と異なると判断するのは以下の理由からです。当時はインターネットの基盤やインフラが十分整備されておらず、そのインフラを収益化できる革新的な企業も限られましたが、現在のIT企業はこれらを兼ね備えています。ちなみに、私が2000年に持っていた携帯電話はNokia 8310で、「Snake」は当時最先端の携帯電話ゲームでした。Nokia 8310 はバックライトに定評のある機種でしたが、2000年以降は携帯電話の技術、普及度、ネットワーク接続性が劇的に変化し、それに伴って業界の勢力図や業界自体が様変わりしました。重要なのは、こうした変化から利益を創出するIT企業の能力も劇的に変わったことです。

 

この結果、テクノロジーの応用も変化しており、特に消費者向けサービスや、革新的な技術を武器に高収益産業からリアル市場のシェアを奪ってきた新興企業はその傾向が顕著です。中には、旧来型産業やその主力企業を駆逐し、自ら新たな産業全体を創り出した企業もいくつかあります。こうした状況は、足元のバリュエーションに囚われず、目の前の変化について想像力を働かせ、バリュエーションや市場シェアが長期的にどう変化するのか見極めようとする一部の銘柄選択のプロにとって本当に素晴らしい環境を生み出しました。

テクノロジー株はバブルになるのか?

おそらく、いつかはそうなるでしょう。しかし、現在の投資環境では、バリュエーション、ファンダメンタルズ、収益の持続可能性などを多角的に分析することにより、銘柄個別の投資機会をまだたくさん見つけることができます。ティー・ロウ・プライスでは引き続き利益成長が過小評価されている銘柄の発掘に注力しており、現状を必死にバブルと呼びたがる人とは反対の見方をしています。我々も常にバブルの証拠を探していますが、今のところその兆候はまだ見られません。

図表 3: 新技術の普及とネットワーク接続性の飛躍的向上が創造的破壊を加速

2015年12月31日時点

 

出所: 世界銀行、マッキンゼー

上記の情報は説明のみが目的で、投資助言や特定証券の推奨を目的としたものではありません。上記の銘柄は実際に購入、売却、推奨されたものとは限らず、これらの証券が過去に利益をもたらしたか、将来的にもたらすと想定すべきではありません。ここに示された登録商標はそれぞれの所有者の資産です。ティー・ロウ・プライスはこれら商標所有者の承認や出資を受けておらず、その関連会社でもありません。

リスクと投資機会

当社はもちろん今日の市場に内在するリスクを認識していますが、アクティブ運用会社として魅力的なリスク調整後アルファを提供するため、グローバル株式戦略において慎重にリスクを取ります。今年はこれまでグローバル株式市場がほぼ横ばいであるため、お客様にとってベータは昨年ほどよくありません。こうした環境下、当社のグローバル・グロース株式運用戦略とグローバル・フォーカス・グロース株式運用戦略はともに2018年5月31日までの1年間にMSCI ACWI インデックスを約600bpsアウトパフォームしました。この結果、両戦略は過去1年、3年、5年、そして10年近くのアルファが非常に高く、パッシブ運用の対象となるインデックスを何百bps も上回っています。

図表 4: 創造的破壊、デフレ、そして変革の波に乗る

2016年12月31日時点

上記の銘柄はティー・ロウ・プライスが購入もしくは売却した証券とは限りません。本資料は説明のみが目的で、投資の助言や、特定の投資行動を取ることの推奨を意図したものではありません。予告なく変更することがあります。上記の銘柄が過去に利益をもたらしたか、将来的にもたらすと想定すべきではありません。

出所: ファクトセット・リサーチ

201806- 522344

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